消化器外科とセカンドオピニオン

昨日は消化器外科の予約日。落ち込んだ日だった。

医師にセカンドオピニオン用の資料をお願いすると、婦人科からの申し送りがうまくいっていなかったらしく、「もうここには来ないでくれ」と言われた。セカンドオピニオンの先生がいう治療方法と比べて、どうしたいかを決めたいのに。

入院中に婦人科の先生から外科の先生の話として聞いた治療法は、今後、胸にポートを埋め込み、抗がん剤治療をするということだった。そこまでは聞いていたが、直接、外科の先生から聞いてはいなかったので、まずはセカンドオピニオンの話をする前に、先生自身から診療方針を聞くべきだったかもしれない。しかし、すでに婦人科でセカンドオピニオンを受ける話をしており、その予約日が21日であるため、資料を間に合わせたい焦りがあった。治療法が確立されていない病気の患者という立場から言わせてもらえば、第一人者である専門医のセカンドをなんとか早い機会に受けておきたいと思うのは当然ではないだろうか。

外科の医師は「滋賀まで通うつもり? がんみたいな病気は住んでいる地域でしかできないんだよ」と言った。

「通うというわけには行きません。でも根治できる手術が受けられるようなんです。」

「根治なんてないよ。この病気はね、後から後から粘液が出てくるんだよ。」

「粘液を取りきれば、根治できるんじゃないんですか?」

「取りきれないよ。運良く取れたとしても、後からまた出てくる。」

そして、この治療には飲み薬の抗がん剤を「永遠に」服用し続けながら、お腹に粘液が溜まるごとに手術を繰り返すしかないとのことだった。

飲み薬の抗がん剤の話は聞いてなかったから、どんな薬なのか、聞いてみた。

「UFT、ユーゼル、○○○の3種類。」

最後の1種類は聞き取れなかった。了承を得て録音していたので、後から聞き返したが、もしかしたらクレスチンかもしれない。ポート埋め込みの抗がん剤と効果は変わらないとも言っていた。

「永遠に飲み続けなければいけないんですか?」

「永遠に。」

「死ぬまで飲み続けるってことですか?」

「体がきつくなるまで。」

なのに、効果は期待できないとも言っていた。それで「永遠に」? 身体的、精神的、経済的にもきつすぎると思った。

とにかく、資料をセカンドオピニオンに間に合うようにお願いして、診察室を出た。この病院で治療する選択肢がなくなった気がし、とても不安でならなかった。つい、患者支援の会の藤井さんに愚痴メールをしてしまった。。。

(追記:この時のことを思い出すと、先生は、私がセカンドオピニオンを受けたい理由を医師との相性の問題と捉えていたかもと思う。というのは、先生が「僕はあなたのお腹の中しか知らないんだよ。お互いの性格もまだ知らないのに」というようなことを仰ったから。

開腹して腹膜偽粘液腫とわかり、急遽手術に加わってくださったのがこの先生である。次の米村先生の手術では、米村先生は大学病院での手術でお腹の中をよく洗浄してくれていたのが良かったと仰っていた。それは術後の家族説明で米村先生が仰ったことで、私は甥が撮ったそのときのビデオを見て知っている。だから、最初の手術の処置は大変適切だったのだと感謝している。

命にかかわる、また、長きにわたる治療の場合、先生との相性は重要だ。相性が悪ければ、辛すぎてやっていられない。しかし今回の私の場合は相性以前の問題で、治療方針の違いである。腹膜を切除する術式が、誰に対しても最適かというと違うだろう。年齢や体力、進行度、考えられる合併症の可能性、人生に対する考え方、、、そんないろいろな要素を鑑みて、患者本人が決断すべきことだと思う。)

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