お向かいさんのその後(2)

お向かいさん親子はどうしているだろう。退院したらメールの一つもくれるはず。コメントを入れてくれたものの、そんな話が出てこないし。どうも気になり、日曜日に娘さんに電話させていただいた。

なんと、お向かいさんは転院したという。退院じゃなくて? 転院??

手術の合併症を治療しなくてはならないのだ。簡単には治せないらしい。

便秘だ下痢だとわめきながらも元気でやっている私がいる一方、私の一週間後に手術されたお向かいさんが、いまだ病院でつらい日々を送っている。他人事ではない。切除した部分は違うけれど、私にだってそのおそれがあったわけだから。

合併症は偶然なのだろうか。起きるべくして起きたのだろうか。そんなことを考える考えないに関わらず、今、合併症で苦しんでいる人がいる。手術以前には、そのおそれがあると分かってもそうなるかどうかなんてわからない。

合併症以前の話として、もし自分がこの手術を受けなかったら?と思うことがある。抗がん剤治療をしながら、あと何年生きられるだろうとビクビク過ごすのはやはり嫌だ。しかし、もしかしたらあっちこっち臓器を取らなくても、抗がん剤がなんだか効いちゃって20年くらい平気で生きられるかもしれない。経過観察しているうちに、偽粘液腫が消えてしまった人もすごく稀だけどいるっていうし、自分にもその可能性があるかもしれない。。。

でも、どれも「かもしれない」だ。

「あなたは手術しますか」

↓     ↓

「Yes」  「No」

こんな絵?が頭に浮かぶ。これまで生きてきて、時々、この図が浮かぶことがあった。誰もが、いくつもの戻れない Yes or No を繰り返して生きるのだが、今回の私の Yes or No はあまり迷うことなくYes で進み、正解だったと思っている。

お向かいさんはどうだろう? 本人から聞いていないからわからないが、今の状況では少し悩んでいるかもしれない。というのも私たちの病気は、偽粘液腫がお腹に充満したり臓器を圧迫していなければ、それなりに元気で過ごせたりするのだ(違う人もいるかもしれない)。もちろん、月日が経つにつれ手の施しようがない状況になる可能性は高まるけれど。

将来的に患者が悩むことのない最良の治療法が見つかるのを望むが、近い将来として、もっと治療できる病院が増えるとか、いろいろな選択肢の幅が広がったら良いなと思う。

それはいずれの話なので、今はお向かいさんの「想定外の落とし穴にはまっちゃって時間かかったけれど、Yesで正解だったワ」という言葉があとどれくらいで聞けるかなと、待っているところだ。

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