Archive for the ‘03.治療・研究について知り得たこと & 署名活動’ Category

腹腔内温熱化学療法と抗がん剤感受性試験

池田病院での診察のときに、米村先生から伺ったこと。その3。

私の場合、手術で目に見える腫瘍は完全切除できたということだし、悪性でもないから、再発の可能性は低いようだ。とは言っても、絶対再発しないとは言えないらしい。だから経過観察が必要なのだろう。

でも、完全切除できて、腹腔内温熱化学療法が期待通りに効いていれば、ほとんど再発しないのではなかろうか。

そもそも、温熱化学療法で使われる薬は何か? 再発という「もしも」のために、私は手術時に細胞を採取してもらって、抗がん剤感受性試験を受けているが、この試験結果を見れば、使われた薬が効いたか効かないかもわかって、再発の可能性が予測できるのでは?と、素人の私は考えるのだが。

米村先生は、先生のPCに入っている私の抗がん剤感受性試験レポートをご覧になりながら、

「おお〜、何でもよう効くねえ。ジェムザールも効くわ。」

と大袈裟に感心されている。なんか私の細胞って単純っぽいじゃん。。。レポート結果は、タキソール、タキソテール、ジェムザールが高感受性と出ており、たったの3種類と思うのだけれど、成績がふるわない人が大勢いるのかもしれない。

腹腔内温熱化学療法で使われる抗がん剤は、病気(という仰り方ではなかったかも?)によって違うということだった。腹膜偽粘液腫の場合は、マイトマイシンを使うと仰った。

「アンタ、マイトマイシンは効かんな。」

私の結果は、マイトマイシンは増殖抑制有効率なるものが8.8%で、低感受性なのである。ちょ、ちょっとそれってー!?

「それじゃあ、温熱化学療法やっても意味なかったってことですか?」

「そんなことはない。感受性試験の場合は温熱にできないから条件が違う。温熱にすると薬が効きやすくなるから。」

と仰るので、増殖抑制有効率がゼロでもなかったし効いているはず!と思うことにした。(たとえば、オキサリプラチンとかいうのは0%だったので、それだと期待できない気が。。。)

また先生は、感受性試験をして、先回りしておくのだという。すなわち、先手必勝、もしも再発したときに効く薬剤を先に見極めておけば、当てずっぽうに薬を試して体にダメージを与えることもなく、ドンピシャで戦えるということだろう。再発した時には温熱化学療法でもその最適な薬剤を使えると仰っていた。

腔内? 腹腔内? 温熱化学療法

池田病院での診察のときに、米村先生(& 勝谷さん)から伺ったこと。その2。

署名活動をしている「がんの播種性転移に対する腔内温熱化学療法の診療報酬採択についての陳情」について、「腔内温熱化学療法」はHIPECを言っているが、いつもは「腹腔内温熱化学療法」と聞いている。もしかして「腹」が抜けてました〜なんて?

(HIPEC は Hyperthermic Intraperitoneal  Chemotherapy  の略。Intraperitoneal を調べると「腹腔内」を指すらしいのだけれど。)

先生の答えは「胸腔内もあるし」とのことだった。

勝谷さんへ。「いま何筆集まってますか?」

池田病院での診察時にいらっしゃった腹膜播種治療支援機構の副理事長・勝谷さんに、腔内温熱化学療法についての署名がどれだけ集まっているのか、おおよそリアルタイムでわかるようにしてほしいとお願いした。

署名を集めている者にとって、きちんと活動が続いているのか気になるし、またどれだけ集まっているかを署名してくださった方々、署名をとりまとめてくださった方々にお伝えしなければならない。

勝谷さんのお話では、サイトにカウンターなどをつけてお知らせできるようにするとのこと。

「ブログに書かれたらお尻に火がつくから」と仰っていたので書いちゃいましたからね、勝谷さん!!

勝谷さんもとてもお忙しいと拝察いたしますが、どうぞよろしくお願いします〜。

2012年8月29日「国際HIPEC学会」だそうです

池田病院での診察のときに、米村先生から伺ったこと。その1。

来月29日10時から京都で「国際HIPEC学会」があるとのこと。司会は米村先生。イタリア、日本、トルコ、韓国、アメリカなどから先生方が見えるらしい。Sugarbaker先生もいらっしゃると仰っていた気がする。

「ネットでICHO学会を検索したらわかるから」と先生が仰っていたので、調べてみた。

あった、、、The 11th International Congress of Hyperthermic Oncology (ICHO)
& The 29th Japanese Congress of Thermal Medicine (JCTM)合同大会が。

スケジュール表の29日の欄に「HIPEC for peritoneal dissemination today」があったから、これかと思う。

米村先生は休む間もなくお忙しくて大変だなとは思うのだけれど、こういった面でもご活躍いただき、より良い医療の恩恵を多くの人が受けられるようになってほし〜。

24年度 厚労省研究費補助金交付決定

すでに噂では聞いていたけれど、腹膜偽粘液腫の今年度の「難治性疾患克服研究事業」の厚労省研究費補助金交付が決まったそうです。

以下、腹膜偽粘液腫患者支援の会の「ご意見・ご感想」欄に投稿された文をそのままコピペ。

***

支援機構の勝谷様より、正式決定待ちだった「24年度厚生労働化学研究費補助金」の決定通知がありました。昨年度に続き2回目、今回は390万円です。この研究補助金は成果が出せれば3年受けられるものです。(以下略)

***

良かったです!

先生方はますます大変だと思いますが、お体に気をつけて研究を進めていただきたいです〜〜!

「実は私も」

署名にご協力をお願いするとき、難病認定の署名はもちろん、温熱化学療法の保険適用の署名についても、まず自分が腹膜偽粘液腫という難病(に認められてないけど)であることを言わないわけにはいかない。

細々ながらの活動だが、周囲の温かい支援と協力で、地道に署名数は増えている。

そんななか、「実は私も難病なの」と、病名を打ち明けてくださる人がいる。

そういう人が、これまでで4人。よく会う人たちが、である。自分がこの病気にならなかったら、聞くことはなかったかもしれない。

意外と身近に「難病持ち」がいることに驚くとともに、難病でもきちんと対処しながら普通に仕事している人がけっこういるという事実を知った。

  • HIME

    2012年05月31日(木)09:47

    返信

    4人の中に私も入っているのかな???

  • pom

    2012年05月31日(木)17:28

    返信

    うおっ、あんた「漢」だねえ。オンナのなかのオトコだわ。(賛辞だからね!)

    うん、計算に入れました。

    私さー、以前は難病というと寝たきりな人とか介護が必要な人しか想像できなかったわけ。難病ってそういうくくりではないんだよね。

    今回書いた部分は表面的なことのみにとどまっているんだけど、書くまでには、「人はなんで生きるか」的なところまでいっちゃってね(金銭にかかわることも含めて)、そのあたりはもうちょっと考えをまとめないと誤解を招くと思って書かなかったんだけど。

    いやー、それにしても、ここにコメント入るの、想定してなかったわ。

  • HIME

    5月 31st, 2012

    返信

    4人の中に私も入っているのかな???

  • pom

    5月 31st, 2012

    返信

    うおっ、あんた「漢」だねえ。オンナのなかのオトコだわ。(賛辞だからね!)

    うん、計算に入れました。

    私さー、以前は難病というと寝たきりな人とか介護が必要な人しか想像できなかったわけ。難病ってそういうくくりではないんだよね。

    今回書いた部分は表面的なことのみにとどまっているんだけど、書くまでには、「人はなんで生きるか」的なところまでいっちゃってね(金銭にかかわることも含めて)、そのあたりはもうちょっと考えをまとめないと誤解を招くと思って書かなかったんだけど。

    いやー、それにしても、ここにコメント入るの、想定してなかったわ。

腹膜播種治療支援機構のサイト

NPO法人腹膜播種治療支援機構のサイトが新装オープンしていた。

http://www.npo-pdt.org/

何となくオモシロイ。面白がってちゃいけないのかもしれないけど。

(腹膜偽粘液腫は腹膜播種の一種ですからねー。)

『腹膜偽粘液腫の本邦における発生頻度・病態の解明・治療法の開発』のWebサイト

表題は

厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 腹膜偽粘液腫の本邦における発生頻度・病態の解明・治療法の開発研究班 

クリックして中を見てね!

今年1月のブログにあげた「難病情報センターのサイト紹介(No.192 腹膜偽粘液腫)」のことである。

***

腹膜偽粘液腫というなんだそりゃ?なものになると、「余命は?」とか「不治の病か?」という疑問がわく人が多いのだが(実際、私もなったとわかったとき、調べて、そのときは愕然とすることしか見つからず気落ちした)、ここにその答えに代わるものが出ている。

稀な疾患で、原因も不明であり、治療法も確立されていません。この疾患は、不適切な治療が行われると死にも至る深刻な病気です。

(↑「概要」3段落目)

治療は外科的に可及的切除することがもっとも有効な治療法です。(中略)手術中は腹水を吸引し、腹膜や剥離面にこびりついている粘液を洗い落とす必要があります。このとき温熱化学療法が非常に有効です。

腹膜切除は偽粘液腫に侵されている腹膜を完全に切除する唯一の手術方法です。

(↑どちらも「情報」治療方法)

組織学的に境界悪性とされる播種性腹膜粘液腺腫症(DPAM)の術後5年生存率は我々の成績では90%であるが、悪性である腹膜粘液性癌腫症(PMCA)は48%と不良である。 原因は腹膜での再発、切除が不完全で腫瘍が遺残するためである。

(↑「目的」5番)

不完全切除の原因はPCI28以上・65歳以上の高齢者・小腸間膜高度転移・緊急手術例・従前の手術回数が多い例であった。このような例でも完全切除できるように、2期的手術・化学療法後の再切除を取り入れたいと考えている。

(↑「目的」研究計画・方法 4)安全で根治性の高い手術療法・有効な化学療法の確立)

ということである。

引用の、それも私の勝手な抜粋なので、実際のサイトに当たって確認していただきたい。

悪性の場合の成績がふるわないが、完全切除を目指して研究されていることがわかるので先生方の頑張りをひたすら応援だわ!なんだけど、これって1年じゃ終わんないでしょ。

『週刊新潮』2012年4月5日号

表題の週刊誌の29ページに「無認可でも画期的な最先端『がん治療』」という特集があり、腹腔内温熱化学療法も載っていると、日頃より署名活動にご協力いただいている美術家の先生から教えていただいた。

まさしく、私が署名を集めている温熱化学療法のことが書いてある。ただ、記事は滋賀医科大学が先進医療の承認を目指しているということで、そこが私がお願いしている署名活動と違う。

私がお願いしているのは、保健適用が認められること。先進医療だと全額患者負担、滋賀医大のみということになってしまうので。

というわけで、署名よろしくお願いいたします(署名用紙こちら。詳細については署名ご協力のお願いをご覧ください)。

  • HIME

    2012年03月30日(金)13:11

    返信

    私も署名にご協力いただいた方から記事が転送されてきました。あれっ私の先生ってこんな顔だっけ?えっ滋賀大学?先進医療?静岡病院死体の山ってなによ!!とびっくり!即、〇井さんに転送した次第です。〇井さんも先生に聞いているみたいですよ。

    • pom

      2012年03月30日(金)17:00

      返信

      ナイスなコメントありがとうございます。言い足りなかったことをここに載せようと思います。
      以下、私の憶測であるので事実は違うかもしれないけれど。。。
      腹腔内温熱化学療法は、米村先生だけではなく(先生なりにいろいろ工夫はされていると思うが)、やってるところはやっている。
      滋賀医大との関係はわからないけれど、たとえばHIMEさんを手術してくれた草津総合病院の先生は滋賀医大卒だったと思う。
      だから、なんらかのつながりがあるかもしれない。
      静岡の医療機関云々の話、それがもし米村先生を指すのだとしたら、その話をしたというのが日本胃癌学会理事長というところに注目したい。
      要するに、日本の学会は標準的治療法として認めていないし、米村先生自体を否定しているのだと思う。
      最低限の治療しか、日本では一般的にはできないってことなんだよね。
      米村先生は、当初、リスクを冒しつつも私たちが生きられる道を探っていってくれたのだと思う。(もちろん、患者も手術同意しての話で。)
      私がもし米村先生に手術してもらわなかったら、今ごろ全身化学療法でふーらふらでこんなに元気なはずはなく、それも効くかどうかもわからず、あとどれくらい生きられるんだろうと考えていたはず。ぞっとするわ。
      この記事については、米村先生の話とは別の滋賀医大の話として出ているけれど、今、署名活動しているものはこれをも含んだ(というか先進医療を超えての保険適用なのだと思っている)内容だと理解している。
      滋賀医大の先進医療認可申請が下りることで、HIPECの保険適用化へ一歩進めば良いけれど、かえって縛られたら今度は腹膜偽粘液腫の手術(腹膜切除を含む)のときにHIPECができるかどうかわからなくなる気がする。そこのところは私も聞いてみたい。
      随分前に、「たけしの〜」で腹膜偽粘液腫の手術風景やっていて、HIPECをやらずに塩水で洗浄30回みたいなことだったけれど、背景はこの辺りのいろいろなことが絡んでそうだと私は感じてる。。。

  • Hime

    2012年03月31日(土)01:04

    返信

    なるほど~。来月の総会がある意味楽しみですな。
    おっとその前に日曜日楽しみにしていますよ。
    実は私も花をいけるの好きだったのだあ~。

  • HIME

    3月 30th, 2012

    返信

    私も署名にご協力いただいた方から記事が転送されてきました。あれっ私の先生ってこんな顔だっけ?えっ滋賀大学?先進医療?静岡病院死体の山ってなによ!!とびっくり!即、〇井さんに転送した次第です。〇井さんも先生に聞いているみたいですよ。

    • pom

      3月 30th, 2012

      返信

      ナイスなコメントありがとうございます。言い足りなかったことをここに載せようと思います。
      以下、私の憶測であるので事実は違うかもしれないけれど。。。
      腹腔内温熱化学療法は、米村先生だけではなく(先生なりにいろいろ工夫はされていると思うが)、やってるところはやっている。
      滋賀医大との関係はわからないけれど、たとえばHIMEさんを手術してくれた草津総合病院の先生は滋賀医大卒だったと思う。
      だから、なんらかのつながりがあるかもしれない。
      静岡の医療機関云々の話、それがもし米村先生を指すのだとしたら、その話をしたというのが日本胃癌学会理事長というところに注目したい。
      要するに、日本の学会は標準的治療法として認めていないし、米村先生自体を否定しているのだと思う。
      最低限の治療しか、日本では一般的にはできないってことなんだよね。
      米村先生は、当初、リスクを冒しつつも私たちが生きられる道を探っていってくれたのだと思う。(もちろん、患者も手術同意しての話で。)
      私がもし米村先生に手術してもらわなかったら、今ごろ全身化学療法でふーらふらでこんなに元気なはずはなく、それも効くかどうかもわからず、あとどれくらい生きられるんだろうと考えていたはず。ぞっとするわ。
      この記事については、米村先生の話とは別の滋賀医大の話として出ているけれど、今、署名活動しているものはこれをも含んだ(というか先進医療を超えての保険適用なのだと思っている)内容だと理解している。
      滋賀医大の先進医療認可申請が下りることで、HIPECの保険適用化へ一歩進めば良いけれど、かえって縛られたら今度は腹膜偽粘液腫の手術(腹膜切除を含む)のときにHIPECができるかどうかわからなくなる気がする。そこのところは私も聞いてみたい。
      随分前に、「たけしの〜」で腹膜偽粘液腫の手術風景やっていて、HIPECをやらずに塩水で洗浄30回みたいなことだったけれど、背景はこの辺りのいろいろなことが絡んでそうだと私は感じてる。。。

  • Hime

    3月 31st, 2012

    返信

    なるほど~。来月の総会がある意味楽しみですな。
    おっとその前に日曜日楽しみにしていますよ。
    実は私も花をいけるの好きだったのだあ~。

「難病認定嘆願書」署名のご報告

以前よりお願いしていた「難病認定嘆願書」の署名につきまして、腹膜偽粘液腫患者支援の会からお知らせがありました。

2月29日、厚生労働省健康局疾病対策課に陳情に行ったということです。その際に、集まった署名も提出されました。

今回提出された署名は58,032名。通算548,299名だそうです。

署名してくださいました皆さんに改めましてお礼を申し上げるとともに、ここにご報告させていただきます。

(腹腔内温熱化学療法の保険適用陳情署名とともに、こちらも引き続き集めております。)

2014年7月3日追記:難病認定嘆願の署名活動は終了しました。腹腔内温熱化学療法の保険適用陳情署名はこれからもどんどん集めますので、よろしくお願いいたします!