思ひで

食えなくて副業のバイトに励んでいた頃のこと。本業は暇だけど、昼間は本業の時間と決めていたからバイトは夜間前提だった。結構厳しかったのは電気部品の倉庫のバイトで11時過ぎから朝の7時まで働いた。本業の仕事があればそのまま続け、また夜バイトに行った。流石に疲れて朝方短い休憩時間に道路脇で缶コーヒーを飲みながら電線を見上げると雀が並んでいる。作業に戻ると倉庫の隅で塵の塊が風に吹かれて揺れていた。こんなのどうやっても絵になんてならないし、アートにだって限界はあるなあと思ったりした。でもそれは間違っていたというか僕の思慮が浅かったのか疲れすぎていたのか。例えば深夜食堂っていうドラマがあってその主題歌「思ひで」なんてどうだ。昨年亡くなった鈴木常吉のこの歌はそういう片隅を歌って極上の美しさを表現していると思う。書きかけ