消失点
踏みとどまれ 逃げるな
消失点のあたりにみみをすます めをこらす
踏みとどまれ 逃げるな
消失点のあたりにみみをすます めをこらす
書家が字を書くときのように
歌うたいがうたを発するように
字にはもとのかたちがあり、
歌には楽譜というテキストがある
それでもそれらは震えながらこの世界にあらわれるのだ
何時の頃からか
世界で初めての、誰も見たことのないフォルムを
美を、感動を拵えたいと考えてはじめていた。
果たしてそれは意味のあることだったのか。
そういう物ができたとして、それは驚きではある
かも知れないが、真直ぐひろく響くか。
ぼくが立ち、誰かも立っていたはずの庭に吹く風
を描こうと思ったんだろう?誰もがジブンの懐から
取り出して見ることができるもの、そのきっかけ
を。虫を描くのが好きだった。壜や撓んだ布を
描くことに夢中になった。世界中の大半の人が
できることをそれと同じことを少しだけより響く
ように描けた。
流れる
ちいさな水脈をみつめる
いきているということ
上手に絵を描けます。何時から
デザインはわからない。何が何やら
チャンネルが一つあるにはある
結局あの、庭を丘を目指すしかないのか?
それでいいのか。ともあれそういうやり方しかできないし、そうしていたことは確か
プレッシャーの多さは引き出しの数と同じ
要は見えているかどうか
真っ白
0では、どう?
そこから、どう?
しろいかみをひろげる
ぼくのきもち
あの毎日が箍をゆるませて
ついに外れてしまったんだろう
もう一度箍を締めたいと思うか
どうすれば締められるのか
箍の外れた桶をどうすればいいのか
またいちからつくるのか
いまある桶をなおすのか