ice cream castles in the sky

満月

夕べ腹が減り何か食事と、ついでに酒も少々と思い仕事場近くのコンビニへ向かう。交差点の手前少し前を歩いていたご家族と思われる3人連れのお一人おばあさんがおもむろに立ち止まり、斜め上を見上げて手を併せた。つられて見上げると中秋の名月。永遠のようにウサギが餅をつき続けている。ちょっと素敵な場面だった。
ふと気になったことがある。都内に住み始めて大分たつけれどもときどき気になっていたこと。ふと人が路上で立ち止まり手を併せる風景というのに割合よく出くわす。例えば神社なら神社の手前の路上から、あるいは参道の遠く手前から鳥居を眺め、しばし手を併せまた通り過ぎる。見ている方も少しだけ心が洗われるような気がして清々しい風景ではある。もちろん折々にはきちんと拝殿までお参りしておられるのだろうけれども、それには及ばない日々の簡単な報告のようなものをされているのかなと思う。
田舎だと神社とかお寺さんは子供にとっては遊び場だし、大人にとっても普通の生活エリアの一部だったりするんだ。うちは割合有名でもある神社を中心に広がった町だったから、参道の途中で旅館を営んでいたり、土産物屋をやっている家の子供と同級生なんていうことも多々あった。
都会の人から見る神社仏閣っていうのは、そういうものに対する敬虔な気持ちというのは同じでも、さらにもう一段敷居の高いというかきちんとしなければならない対象なのかなと思った。それから江戸っ子的なせっかちさってのもあるのかしらん。お月さんにしても、子供の頃は団子とススキを供えた縁側から見上げ、おばあちゃんと手を併せたりもしたけれども、それはそういうものだった。ふいにそういう気持ちになって路上で立ち止まってどうこうということはなかったし、そういう方を見たこともなかったので、所変われば的な思いを持ったのだろう。
あ、それから肝心な点としては、こんなに大勢の人が昼夜を問わず出歩いていたりはしないな、田舎では。

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