夕方、ある方から「いま、銀座なんです」と電話があった。
ここ数日、仕事がバタバタなのだけれどちょうど1時間ほど空けることができ、その方に会った。
老紳士のその方は、奥様が腹膜偽粘液腫の患者さんだ。奥様は病気がわかる数年前まで、高齢にもかかわらずバリバリお仕事を続けていたという。その忙しく飛び回っていた奥様は手術してずいぶん経つが、今、自宅療養をされている。
老紳士さんはいくつかのことを心配されていた。奥様が体調が悪いのか外出をしたがらないこと。日頃外出しないから、明後日の池田病院の受診に体力が持つかどうか(遠いから)。受診して診断結果が良くなかったら。もし、彼女がもっと悪い状況になってしまったら自分はどうやって生きていったら良いのか。。。
献身的な老紳士さんは、いろいろ考えると眠れなくなると仰った。自宅にこもる奥様の相手を一日中していて、どこか息抜きも必要な感じだった。
「今日は必要なものがあってここまで来たのですけれど、見つかりませんでした。久しぶりにここまで来たんです。以前はしょっちゅう来てたんですけれどねえ。」
もしかしたら、探し物はあってもなくてもどっちでも良かったのかもしれない。老紳士さんにとって、街まで出てきたことと誰かに心配事をしたことが、ほんの少し心をほぐすことにつながったのではないだろうか。
私に答えを求めているわけではないだろう。だとしても私は「きっと大丈夫ですよ」などと、ありきたりなことしか言えなかった。経過観察の診断については、良性か悪性か中間なのかで予後が違うということから、そのあたりをまず伺ってみると「聞いていないんですよ、とても恐ろしくて」ということだった。
何でも全部知っておきたい私には意外だけれど、手術で腫瘍は全部は取りきれなかったとのことで、聞きたくない気持ちは察する。
そもそも米村先生の手術を受けることになったのは、まだ腹膜偽粘液腫とわからず大学病院で手術して、数ヶ月と経たないうちにまた手術が必要と言われてパニックになってしまったところ、知り合いがネットで米村先生を見つけてくれて受診し、手術してもらったとのこと。高齢の方にとってはこの病気に限ったことでなく、身近にネットを検索してくれる人がいるかいないかで、その後たどる道が違う気がする。
支援の会の親睦会などに出て情報交換するのもいいのではと話すと、元気な患者さんたちに会って、それに比べて自分のところはと思うと辛い、それに、本人自身が外に出ず、自分ばかり頑張って患者の皆さんに会っても、、、ということだった。
でも、私には会おうと思ってくださったのだ。 私は「何か良い情報がありましたら、必ずお知らせしますからね!」と言った。
「今度、家に遊びに来てください。」
「はい、ぜひ伺います。」
1時間があっと言う間に過ぎた。明後日、「だいじょーぶ」な結果でありますように。
HIME
2012年04月27日(金)13:18
私も存じ上げてる老紳士の方ですね。
もしぽんぽこさんの立場が私だったら…….。辛いですね。
何とか手を差しのべてあげたい気持ちは沢山あるのですが。
pom
2012年04月27日(金)20:55
そうそう、HIMEさんも知っている方です。
時々、お電話とかしてみようかなと思ってます。
奥様はとても品が良い美しい方で、なのにちゃきちゃきな感じもあるんだよ。
もっとお知り合いになれたら、ご夫婦も私たちもお互いが楽しくなれると思うんだよね〜。
そのうち、会えるチャンスもあると思うから、そのときは
HIMEさんも一緒によろしくね!
Hime
2012年04月28日(土)00:23
かしこまり!です。
彼女がもっと悪い状況になってしまったら自分はどうやって生きていったら良いのか。。。
私も悪化したらダンナもこのように思うのかな?と思うと何としても元気で居続けなければと思う私でした。
このご夫婦、応援したいですね。いつでも呼び出してください。
pom
2012年05月02日(水)08:38
遅レスすみませーん。
「自分はどうやって……」は昨年の今頃、私もダンナから言われたんだけど、
「私を不憫に思うんじゃなくて、結局のところ自分の心配なわけ?」と、ムカついた心の狭いワタクシでした。w
もこもこ
2012年04月28日(土)00:23
ぽんぽこさんが出没されるのは銀座界隈ですか~?!
ぽんぽこさんとhimeさんがタックを組めば最強ですね
pom
2012年05月02日(水)08:43
返信遅れてすみまっせーん。
ちょっとワイハに弾丸ツアーに行ってたもんで。(ウソです)
本当は、銀座の会社と自宅の往復でした。。。
出没というより、半分棲息している感じです。な、ワリにはあんまりお店を知りません。コンビニとかお弁当屋とか、郵便局の場所とか、そーいったところはカンペキですが。。。