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形骸(ワタシ)のこちらから見れば丘(または狭間)で
向こうから見れば狭間(または丘)の向こうがここ
丘の高さだけ遠くの生る
形骸は丘のまわりを循環して その場に在る
決して形骸の中ではなくおもてのどこかでもなく なだらかな丘のそれでも頂へ
僕がなんだか小さくなっては 位相をすっと持ち上げられるような
ほんの静かな
丘の向こうの日
形骸なら包める
生り死
包み映して消える間にも
生まれている様々な形骸
いま目の前の風景にないものはつくる 材料はある
不安は造り変えればいい 何もつくらずにいたら化けてでてきたもの
形骸をひと塊が息づくために形骸は形骸をつくるだろう
ひと塊の粘土からできたものが たとえば
大気などそれに触るものを震わせ
形骸が生きるためと信じて研いだ刃が 他の生きる形骸を変えた
刃を研いだ形骸(もの)自身が刃という形骸で変わることはないと言い切れるか
形骸(わたし)がおおきく息づくように
形骸(あなた)にそこに生りつづけて欲しくて
そのために死ぬことも あると思う
形骸が生まれる少し向こうに消えて幽かに生るその場 造るものを信じている
生るための生産も信じているなら
決して彼自身そうとは言わないけれども 彼は祈りでもある
祈るようにつくるのか つくるように祈るのか
その場を信じてその場でつくられたものかどうか 場には風が立っている
意識って不思議だな そこまで形骸といえるかもしれないその向こうからでも
こちらからでもそこを駆け廻れば 向こうはここで
向こうへの生る場はいっしょに生る場
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