霧の中、飲み込んだつもりのカプセル錠がのどに閊えている。白くて、滑らかだったのに。大きなカプセルが、車両置き場の新幹線のように。
それは、身体運動と深い関わりがあるような気がする。なにかと体も頭も動かしていたただ若い頃は起動している方が普通だった。それでもときにはこんがらがってエラーしてしまったことも覚えている。今は停止しているのが普通になってしまった。ただ、このディスクは死んではいない。果てしなく足で体で歩いてみればいい。
いつものように、一つの完成図を、「起動していた感覚」を想像すれば、体の-血の-細胞の-興奮をつれてくる。落とし錠がすとんとはずれて全ての風が波が、助走を始め止まらなくなる。
臆病なのかな。ヒトのことをこんなに心配してしまうのはどうしてだろう。するとそれと同じくらい縛られたように動けなくなってしまう。その人の所へ行って会うことの怖さを解ってくれるヒトなんていないだろう。だめな人間だと言われるのが落ちだ。いいや。
Antithesis
愚鈍を怖れるな
ここにある、空の背骨。
背骨の空。
空を指しモザイクのカンバスをひろげる
fairground
我がなすことは我のみぞ知る
抜けのいいデザイン
アクセラレ
蒼白にある
「すとん」
創造と想像が手を結ぶ時
理想のフォルムと実際のこの手がつながる時
先を行き
向こうの丘の酔うほどのしろい風の中から手を振るヒトに
なってみる
ここにいて脊髄の深い闇にすとんと落とすヒトに
なってみる
何人もいる
ここだけでなく
動きのなかの蒼白
動きを定着する