この記事は、実際には7月20日に岸和田の病院で思い出しながら記しました。
この日、手術のことを両親に話すため実家に行く。すでにおおよその話はしていた弟夫婦にも来てもらった。
現在、医師から聞いていること、手術の日程などを、淡々と話した。年老いた両親をむやみに心配させたくなかった。
両親は動揺している風でもなく、母は黙って聞いていた。父は、
「俺なんかあっちこっち切っているけどまだ生きているぞ。だいたい、うちにはガンになった人間なんかいないんだから、そういう家系じゃないし大丈夫だよ。」と言ったので、一瞬、皆、固まってしまった。
実は、父は7〜8年前に初期の大腸がんの手術をしていたのである。私たちは本人に告知しないまま、今まで来たのだった。
とりあえず、手術する病院は実家から近いので、どこか気軽さもあり、入院中はいろいろ家族にヘルプしてもらうということで家族会議は終わった。
その後、弟にちょっと前からお願いしていた、私のスナップ写真を撮ってもらう。万が一のことを考えて、抗がん剤でやつれた顔の写真が遺影になっては堪らないので、地毛フサフサで血色の良い、にこやかな写真を撮っておこうと思ったのだ。
何枚か撮ったのだけど、自分のブスさ加減を棚に上げて、どれもまったく気に入らなかった。これじゃ死ねんわ。