領収書整理でしみじみする(2)

やっと病院や薬局の領収書に行き着く。このブログの最初となった銀座医院の初診時の領収書も出てきた。

添付されている診療明細書の検査項目を初めてじっくり見る。血液検査の項目には、腫瘍マーカー(CEA、CA19-9、CA125)や内分泌学的検査などもあった。

初診でよくぞ検査してくれました!と思う。と同時に、あの時に亀山先生が見せた表情が思い出され、今頃になって納得した。

先生は私を診察しながら、イライラされているようだった。

「ここ1か月で何キロ太った?」

「さあ、、、体重計に乗るのが怖くてよくわかりません。」

「じゃあ、ベルトの穴がいくつ移動したとか。」

「ベルト、しないし。」

まったくもう!といった顔つきだった。もうその時点で、先生は私がただならぬ病気だと感じていたのだろう。血液検査に腫瘍マーカーもオーダーされているのがその証拠である。(その後、検便の折など、先生は考え過ぎだと思ってしまいごめんなさい、とこっそりここで謝ったりして。と思ったら、何だかその件、心配になってきたなあ。)そんなわけだから先生はより正確に症状を洗い出そうとして、私のあまりのボケっぷりにイラついていたのだった。

血液検査を終えて待合室で座っていると、先生が診察室から出てこられ、私に「ちょっと待っててね。ニコッ」と声をかけてくださった。さっきとは打って変わって優しいじゃん?と、まだ何も知らない私はそれは呑気なものだった。

あの「ニコッ」は、私を不安がらせないように気遣ってのことだったのだと、いろいろ後になってから感じた。

あれから1年が経った。1年でよくここまで来られたよなあ、このボケっぷりで、と、いくつもの病院の領収書を手にして思う。

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