古い話になってしまったが、忘れないうちに。
【その日のお仲間】
「早く終わらせたいから朝5時に来た」というNさん。Nさんの活躍ぶりを先日拝見したばかりだったので、余裕綽々ぶりに納得。診察番号2番で、ばっちり元気に診察を終えて早々と帰っていった。
その日、一番長くお話ししたのは、年配の男性患者Kさん。これまで挨拶を交わす程度だったが、二人とも待ち時間が長かったので、いろいろお話しした。
私が先に受診してKさんに結果を伝えると、Kさんは私の前に手を差し出した。「帰るときにはKさんと握手して帰る。」まるで決まり事のように、Kさんを知ってる人たちはそうしている。Kさんが手を差し出しながら私に何と言ってくださったか、正直覚えていない。ただ、温かい手の感覚だけは今も思い出す。
Kさんの診断結果は聞かずに病院を後にしたのでわからないが、Kさん、きっと問題なし!だったことだろう。
さて、いつも私よりは絶対早く来ているHappyさんが、その日はなかなかやって来なかった。胃がん→腹膜播種で来ているTさんとも、ウロウロするたび「会った?」「まだ来てないみたい」の会話を繰り返した。
と、そんななか、Happyさんが「今来たわ〜!」と元気な声で登場。声は元気だったけれど、実のところ、その日は調子が良くなかったらしい。そして彼女は慌ただしく検査やら化学療法の点滴の部屋に呼ばれて行った。
私が帰るとき、彼女はまだ点滴中だった。水臭い仲でもなし、私の結果を彼女に伝えなくちゃ。そう思って、看護師さんに申し訳ないと思いながらも伝言をお願いした。看護師さんは伝言内容にびくっとした。なんかイイ人だなあ、と思った。
イイ人の看護師さんはすぐに伝えてくれたようで、点滴が終わったばかりであろうHappyさんが会計を待つ私のところに飛んで来た。彼女がどんな言葉をかけてくれたか、これまた覚えていない。でも、彼女はすごく優しかった。彼女だって大変なのに、ありがたいな〜と思った。
その日は、他にもwhiteさんに会った。以前、このブログにコメントしてくれて、お会いするのは初めて。フワっとした優雅さのある人だった(なので、その後のあるとき、イメージとは違うメールが来て、失礼なことに思わず吹き出してしまった〜)。whiteさんとの話は、彼女自身からまた話が聞けたら、改めて書きたい。
【その日の付き添いファミリー】
弟夫婦に「現地集合」してもらった。最近のパターンだけれど。
「姉貴、今どこ?」(←電話)
「ごめん、寝坊しちゃった。今まだ足柄S.A。とっとと病院に行くから。」
「どういうこと? 僕、家で待ってるんだよ?」
「じぇじぇ!」
弟を置いて来てしまった。。。
私は弟夫婦と病院で落ち合うつもりだったのだが、約束は弟をピックアップしてから、前日から実家に帰っている義妹と病院で落ち合う、ということだったらしい。
「アイツが病院に行くからさ、僕は今日は家にいるよ。」
「だめっ! 来なさい。」
「だって、アイツが車乗って行っちゃっているし。」
「自力で来るんだ! 電車乗れるでしょ? 電車賃あげるから〜、ねっ?」
「面倒臭いなあ。」
そう言いつつも、来てくれた。「ロマンスカーと新幹線とタクシー乗って来ちゃおうかと思ったぜ」と言いながら、普通電車&バスでやって来た。
今回ばかりは診断結果が問題なしではすまされないと覚悟していたから、帰り道が一人だとやさぐれ運転になっちゃうかもなーと思っていた。だから、私の車の運転手が必要だった。
そう、ちょっと話が逸れるが。今回、夫も数日前に「付いて行こうか?」と言ってくれていた。だがちょっとした口論になって「行かない!」ことになった。
それは私のデリカシーのなさでもあり、夫のデリカシーのなさでもある。私は、再発となっても帰りの食事では彼がビールを飲むとわかっていたから不愉快だった。こっちが落ち込むような状況で、よくビールとか飲めるよね、だいたい運転もしないしね、私が運転するんだもんね。。。
夫にとっては私が落ち込むことと、食事でビールを飲むことは別次元の話らしく、なぜそれがいけないのか? そんなふうに感じるほうがおかしい。ってことらしい。
夫が心配しているのは重々知っている。でも、それを態度にも口にも出さない。人は言葉を交わさなくてもわかり合えると思っているフシがある。その割には、人の機微に鈍感っぽい気がする。。。夫は「時間さえあれば車の免許を取り直したい」とも言っており、私に申し訳ないと感じているのも知っている。結局、痛いところを突かれてイライラしたというわけ。
で、弟夫婦と先生の診断を仰ぐことになった。
【その日のうなぎ】
「とりあえずアタシゃー、うなぎが食べたいわけよ。」
行く前から弟たちに、「昼は私は食べない。そちらは昼食をすませてから来て。帰りに一緒に食べよう」と言ってあった。
今回、彼らが連れて行ってくれたところはココ。
入口は鰻屋さんっぽいけれど、雰囲気も重視したい場合はお呼びでない、カジュアルなお店(値段はさすがにカジュアルとまでは言えないけれど)。ふわっとして美味しかった。タレはやや甘め? で、並でも量が多く、またまた完食できずに持ち帰った。
【その日の帰り道】
弟夫婦には悪かったが、義妹には彼らの車を運転して家まで一人で帰ってもらい、弟には私の車をうちの近くの駅まで運転してもらい、そのあと電車で帰ってもらうことになった。
海老名でトイレに行きたくなり、弟を30分くらい待たせて、行った。いつもの、何度も行かないとダメです系。30分間、トイレを出たり入ったりしてから出発するも、一般道に出てからまた猛烈に行きたくなってしまった。
「どこかでトイレ借りたい。。。」
「コンビニでいい?」
「コンビニ行ったら、やっぱりトイレ借りるだけってのはナンだよね。」
「何か、買えば?」
トイレを借り、やっと落ち着いて、雑誌でも買うことにした。久しぶりに「Oggi」でも読むか〜と思ったけれど、結構重たいので、隣にある「文藝春秋 8月号」を何気なく買って帰った。(たまたまそれに面白い記事が出ていたのだった。。。)