先月の池田病院での診察は、術後最初の外来で、3か月ぶりにお会いする米村先生に「その節はお世話になりました」的な感じで挨拶した。調子はどうか尋ねられ「絶好調です!」と答えると、先生は笑いながらいつものように「お腹見せて」と仰った。
触診も問題なく、前回の投稿のとおり、おへそは再発ではなかった話に。先生にとって私のようなユル患は気も楽なことだろう。あ、ユル患って、経過観察のみのノーマークなユルい患者ってことで。
で〜。どういう流れでか忘れたけれど、腹膜偽粘液腫の遺伝子の話になり、
「僕がこれを見つけたんだ〜。」
と先生がPC画面を見ながら仰ったのである。
指し示されたExcelのセルには、こう綴られていた。
MARCO
イタリア人のオッサンを想像してしまう名前である。
米村先生によれば、このMARCOという遺伝子を調べることで、なんと!再発の可能性もわかるというのである。
MARCOはすでに各患者の検査項目に加えられているようだった。
再発の可能性がないと分かったら、どれだけ気が楽になるだろう。また、可能性があると分かったら、ガッカリするかもしれないけれど、さらに経過観察を念入りにするとか、自らも注意深くするとか、早期発見早期治療に役立つことだろう。
ちなみに、昨年、先生方が出された「腹膜偽粘液腫の本邦における発生頻度・病態の解明・治療法の開発に関する研究」の「特異的に発現している遺伝子の同定・診断への応用」という項目で、約10種のヒト胃がん細胞における遺伝子発現をナンチャラで解析したところ、5遺伝子は胃がん細胞では発現が認められず、腹膜偽粘液腫に特異的に発現する遺伝子である可能性が示唆されたとのこと。で、5遺伝子のうちの一つがMARCOである。