泣いて笑って池田病院(術後1年半で米村先生に質問編)

電車が遅れて診察スタート時間もずれ込み、48番だった私が診察を受けたのは午後5時半を回っていた。

米村先生は私の顔をご覧になって「あーあーあー(アンタね)、調子はどうですか」と仰った。元気だと伝えると、PCのデータを調べながら、

「再発はしていない。」

私は紙に「再 発 して いない」と書き付ける。術後1年半、ここで喜びのガッツポーズでもすべきところだが、なーぜーか私は米村先生の前でそうできない。先生の面白い一言も、後で「アレ、面白かったなあ」と思うのに、その場では私はクスりともせず流してしまう。他の人たちの話を聞くと、経過良好なら「ヨネちゃんと盛り上がった」的な診察トークが繰り広げられるらしい。。。チョットうらやましい。

無再発をあっさりと聞き、はや、紙に書いて来た質問を伺っていった。まず、下腹部右下のしくしくした痛みについて。触診していただき、やはり癒着だそう。ま、しょーがないコレは。

ってことで次の質問。なのだが、以下の質問を今ごろ聞くなんて、と自分でも呆れる。でも、患者に「なりたて」の頃は知識があまりになく、聞いても何が何だか分からなかったに違いない。

「腹腔内温熱化学療法でやったのはマイトマイシンCと仰っていましたが、タキソテールってこと、ありますか?」

答えはタキソテールではなく、マイトマイシンCとシスプラチンの両方とのこと。腹膜偽粘液腫での腹腔内温熱化学療法に用いる抗がん剤はこの2つらしい。(先生の本にもちゃんとそう書いてあったけれど。)

私の場合、抗がん剤の感受性試験ではマイトマイシンCもシスプラチンも良い結果を得られていない。ただ、腹腔内温熱化学療法は感受性試験とは条件が違うから(温度を高くしているとか)、もっと効くというようなことを前回の診察で先生が仰っていた。

新たな質問。これまで私がよく分からなかった言葉ーー良性、低悪性、low gladeの違いについて。質問の仕方があやふやで、はっきり覚えていないのが残念である。それゆえ、すっきりした答えも得ていないが、私が感じたのは「どれも同じ」ってことかなと。(違ってたらスミマセン。)

そもそも私は術前には良性と悪性の中間、と言われていた。術後すぐの家族説明では、先生はこれだけ転移があったから悪性だろうと(撮影したビデオを後で見て知った)。だが、組織診断では悪性ではなかった。最近の診察などでは「良性だから」と仰っていて、おや?と思いつつ放置していたわけだけれど。

で今回、私は低悪性、low gladeだというのを確認した。たちの悪いヤツが悪性で、私のは「たちのイイほう」。「たちのイイ」低悪性を、患者には分かりやすく「良性」と説明しているのかな。また、悪性だと5割が再発、低悪性なら3割、どちらにしても再発したとて手術すれば良く、生存率が下がるわけではない、みたいな話だった。

腹膜偽粘液腫の悪性度は低悪性、中間悪性、悪性の3種類があると、先生の本にも出ているので、んじゃー中間悪性は、、、?と思ったりするが、たぶん、このあたりまで伺うには専門知識が必要な気がする。

Mさんがよく、こんなことを言っていた。「米村先生が言うことは、私たちが考えているレベルの遥か上の話をしている。」まさしくそんな気がする。先生の一見単純な答えは実は奥深く、それを真に理解するには膨大な知識が必要なのだ。

勝谷さんが以前、腹膜偽粘液腫に特化した本を編集するとかなんとか仰っていたが、それができたらぜひ読みたい。いまは腹膜播種治療支援機構の「腹膜播種」が理解の助けになる。最初に用語解説とかあるもん、腹膜についてとか。悪性度についても出ている。「癌としての性質の強弱。“悪性度が低い”というのは、転移・浸潤の力が弱く、予後が良い。“悪性度が高い”とは逆に転移・浸潤しやすいものをいいます。」だそう。

さて、話題は変わり、今度は腹腔内温熱化学療法の署名活動について。先生ご自身もいろいろお声がけされているらしい。今年陳情できるとタイミングとしても良いとのお話ではあったが、当初目標の40万人にはまだまだ、ということだけは判明した。私も思いっきり微力ながら継続して集めたいと思った。

そんな感じで術後(たしか)4回目の診察は終了。私の後にはまだ10人以上の患者さんが待っていたと思う。その方たちが、それから先生と勝谷さんが、いつ帰途に着かれたか私は知らない。半年後の診察には、先生に一発芸でもお見せして、お疲れを癒して(かえって疲れさせる?)差し上げたい。

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