朝の電話

3日の朝、携帯が鳴った。大学時代のゼミの先輩の名前が表示されている。

「もしもし。」

声の主は先輩ではなく、先輩の奥さんからだった。奥さんとは女二人で温泉旅行に行くほどの仲なので、彼女が電話してくれるのは不思議ではないけれど、なぜ先輩の携帯から?

「あのね、、、うちの人、今朝、亡くなったの。」

え? どういうこと? 頭が一瞬ヘンになってしまった気がした。

彼女の話では、昨晩、就寝後に具合が悪くなり、ゆっくり話すこともできず亡くなったというのだ。52歳で死ぬなんて、若すぎやしないか?

彼女は気丈に、通夜の日取りと場所を伝えた。「うちの人が携帯に登録している人に連絡すればいいかなと思って、かけてるの。告別式の時間は、焼き場の時間がわからなくてまだ決まってないんだけど。」

彼女は「何か、悪い夢を見ているみたい」と言って、アハハと小さく笑った。私はゼミのみんなに伝えるからと言うのが精一杯だった。

こんなことになるなんて。私は春の時分には、先のこととして自分の葬式の様子を想像したりしていた。夫はちゃんと私の知人に連絡してくれるだろうか、とりあえず先輩夫婦のことは夫も知っているからゼミの皆には連絡つくかな。。。リーダーシップがあり、面倒見が良くて、お酒好きな先輩が「あいつは面白いヤツだったよなあ」ときっと言ってくれるに違いない。。。

なのに。

こんなことなら、無理をしてでも9月のゼミOB会に行けば良かった。今年は会えずじまいで、いや、もうずっと会えないのだ。しかし、こんなことが9月に想像できるはず、ないじゃないの!

今年は想定外のことが多過ぎだよ!!

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