「まけないぞう」という名前の、壁掛けタオル。作り手は地震などで被災された方々だ。
たまたまご近所の方が、この「まけないぞう」さんの販売ボランティアをされていた。聞けばいろいろなボランティアをされているのだが、定年後の時間を生かして東北の被災地にもたびたび足を運び、仕事の種類をいとわず継続して活動されている。だから当地の今の状況などにも詳しい。
今も仮設住宅に住む被災者がたくさんいる。元々、親戚一同集まっても余裕なスペースの家に住んでいた人も多いなか、生活の不安を抱えながら、かつ、狭い仮設で暮らすのだから、精神的なストレスもかなりなものだという。そして、
「(被災してない人たち、あるいは世間から)忘れ去られるというのが、『絶望』につながるんです。」
ご近所さんの「絶望」という言葉に、私は自分のことを思い出して戦慄してしまった。
絶望ーー。3年前の、治す方法はなく余命を云々、なんて話になったときに初めて感じたどうしようもない気持ち。あの時に私は「絶望」という言葉の重みを初めて知ったのである。
辛い状況にあっても前に進めるのは、そこに望みがあるからだ。望みがあってこそ、辛い状況を打開する第一歩が踏み出せる。
「まけないぞう」の話に戻るが、これは神戸の震災から始まったもので、被災地NGO協働センターの事業である。で、現在の「まけないぞう」は東日本版だ。
最初「まけないぞう」を知ったときはピンと来なかった。ところがご近所さんから話を聞いているうち、だんだんイメージが掴めて来た。
狭い家に閉じこもり悶々とするよりも、皆で集まって話したりすれば気持ちも和らぐ(病気の仲間なんかでも、そんなことあるもんね)。そんななかで「まけないぞう」作りを皆でしたら、作るのに熱中できたりもするし、ちょっぴりだけど報酬も得られる。買った人から「可愛い」と言われたらやっぱり嬉しかったりする。まけないぞう、まけないぞう、まけないぞう!
なんかいいじゃん?と思って、5頭、ご近所さんから買ったのが3月のこと。おお、そ〜だ、池田病院に行くとき、いつも一緒に来てくれる弟夫婦に1頭あげよう。それから、その日たまたま会ったお仲間にも。
ってことで、池田で真っ先に私に話しかけてくれたCさんこと、おはぎちゃんに
「これ、『まけないぞう』って言うんだよ。」
「・・・まけない、ぞう。。。」
「ここから好きなの選んで〜〜。」
「いいの? んじゃー、運気が上がりそうな色のを! あれっ、黄色って金運だっけ?」
なーんて言いながら、おはぎちゃんの元に1頭が渡ったのである。
おはぎちゃんはビニール袋に入ったぞうのタオルを上から撫でながら、じっと見つめていた。「まけないぞう。。。」
私が帰る時、おはぎちゃんは抗がん剤の点滴を受けていて、おはぎちゃんに寄り添うようにベッドの枕元にあの「まけないぞう」がちょこんといた。おはぎちゃんによると、まけないぞうは「今の私に刺さった〜〜!」だ、そうだ。
「まけないぞう」の価値は「可愛い」だけではない。作り手を応援するだけでもないってことだ。私たちに、忘れていた強さを蘇らせてくれた。お金じゃ買えない大きな価値があった。これはこちらも応援されちゃう。前に進む気持ちを後押ししてくれる。みんな、まけないぞう!
「まけないぞう」の価値が身をもってわかったことだし、売るボランティアなら気軽にできる。。。そう感じたので、まずはご近所さんから分けてもらって小規模に売り子になることにしたYO。
おはぎちゃんもその後、「まけないぞう」のPRにも励んでいるとのこと。ウレシ〜っす。
ひさみ
2014年05月27日(火)20:19
陳情お疲れ様です(^O^)
なんという事でしょうか、実は、沢山の署名をいただいたんだけど、藤井さん宛に発送したのが、昨日だったの・・・間に合ってなかっただろうなぁ
pom
2014年05月31日(土)13:23
ひさみさん、お返事がやたら遅くてごめんごめんごめんご〜。
今回はきっと、間に合ってなかったね〜。
新たな局面を迎えちゃったんだけれど、その方々の署名、そして思いは無駄になることはなく、次のステップの力になるから、本当に有り難いことですね。ひさみさんも署名たくさん集めてお疲れさまです!!
これから訴えていかないといけないことありそうだから、多くの方々に理解していただいて、引き続き応援してもらいたいよね。