今朝の回診で、お腹の調子も良いと言われ嬉しくなる。
首の点滴も取れたことだし、髪と体を洗いにシャワー室へ行く。髪も体もいっぺんに洗うというごく当たり前のことが今までできていなかったので、すごく気持ちが良かった。
シャワーから出て髪を乾かそうとすると、先客がいた。頑張りましょうね、と声を掛け合った、あの、年上の女性だ。
手術をする時、手術室の前の部屋に入ったら、その人が先にいた。私と同じ時間にオペをする患者さんだった。
「頑張りましょうね。」
お互いの名前も病名も知らないけれど、笑顔を交わし合ったのだった。
「もうすぐ退院なのよ。」
「私も金曜日に退院なんです!」
「おめでとう。良かったね。」
二人してやっと退院できることを喜びあった。
シャワー後、体重を計ってみる。入院前より3キロ減。ま、こんなもんかな。
食事は昨日より数口は多く食べられた。調子を良くして牛乳を3口飲んだら、急に肺のあたりが苦しくなり、ほどなくして飲んだ牛乳をそのまま戻してしまった。でも、お向かいの患者さんのお嬢さんから差し入れしていただいた凍らせた桃はペロリと平らげられるのだから、なんだか不思議。どうやら冷んやりした果物はいくらでも食べられるようだ。
お向かいさんは依然、つらい状態が続いている。見舞いに来てくれた私の親戚が、「痛いの痛いの、葛城山に飛んでけー」と言っていたのを思い出して、
「お向かいさんのつらいのつらいの、葛城山に飛んでけー!」
真剣に念じた。