Archive for 2014年03月19日(水)

春はいかなごフィーバー!らしい。

辛い話が多い中、我が家にいきなり春が届いた。いかなごの到来である。

最初、何がなんだかわからず。10日ほど前、ひさみさんから「いかなご便」と印刷された段ボールが届いたのである。

開けるとタッパーとお手紙が入っていた。

瀬戸内の“いかなご”のつくだ煮です。自作です。
毎年この辺りでは各家庭で作るんですよ。今年も作る事ができて嬉しいかぎりです。
(中略)
悲しい事が続いたけど……世の中は何もなかった様に動いていくのよね……あたりまえだけど……
毎日、楽しく過ごしていきたいね。
元気でいようね。

なにこのじーんと来るお手紙は。に比べて、なにこのつくだ煮は??? よく分からないのだが、とりあえず冷凍庫にあったご飯をチンしてのっけていただいた。

うっひゃ〜! オイスィ〜〜!!!

生まれて初めて「いかなごのくぎ煮」なるものを食した瞬間であった。これは多くの日本人の味覚に合致するであろう味わい。白いご飯が進む進む。最初はこんなにたっぷり、と思ったけれど、あっという間になくなっちゃいそう。。。

と思っていたところ。なんと! 今度はお向かいさんから「いかなごのくぎ煮」と印刷されたシール付きの、郵便局のエクスパックが届いたのだ。

で、開けると、ひさみさんとまったく同じタッパーではないか! なにこの偶然は??? しかしこれは偶然ではなかったのである。

ご当地ではこの時期、「いかなご」という魚の漁が解禁になり、稚魚を「くぎ煮」にするのが風物詩となっているそう。ネットで調べるうちに、どうもこれはハンパでない、春の超一大イベントらしいということが判った。

元気な時は30キロ位炊いて、親戚や知人に送っていました。
一昨年は病院で解禁日をTVで見て悔しい思いをしました。
(中略)
孫たちも大好きなので、来年も元気で、炊けたら良いなと思っています。
(中略)
それぞれ、我が家が一番と思って作っています。
お口に合えば嬉しいですが。

お口にすごく合いますyo、お向かいさん!!と、これはお向かいさんからのメールである。

お二人とも、いかなごを炊ける喜びを綴られている。そういうものなんだな、生きるって、きっと。

それにしても、お向かいさんから届いたとき、ひさみさんからも頂戴しているのを言うべきかどうか、悩んでしまった。でも、近々二人でランチする、なんて話も聞いたから(ちなみに、二人を引き合わせたのはワタシなのyo!)、くぎ煮の話題も出るだろうし、言わないのもナンだな〜と思って、どちらにも伝えた。すると、互いのくぎ煮づくりを讃え合うがごとき反応を二人ともするので、なんだか面食らった。どうやらご当地では、いくつもあげるだけでなく、いくつももらうのも当たり前らしい。

そんなわけで、私は初めてのいかなごのくぎ煮を贅沢にも味くらべできることになったのであ〜る。

「ひさみ家(ここは「や」と読んでちょ)」製は、ふっくら柔らか浅炊きで甘さ抑えめ、白いご飯にタップリのせてワシワシと食べたい味わい。卵かけご飯にもすっごく良く合う。

対する「お向かい家」製は、滋味豊かな王道的仕上がりで、箸休めに最適。また、3年間しなかったお茶漬けへの誘惑断ちがたくついに解禁、お茶漬けはこっちがいい。

較べると味も食感もまったく異なる。でも、どっちも我が家のが一番と思うだろう出来具合。お酒にも合うし、お弁当やおにぎりにも良さそう。甲乙つけるものじゃないワ〜。って、なんだかこんなこと言ってるの、不思議。もし私が病気にならなかったら出会わなかった人たちの、手作り、郷土の味、家庭の味なんだもん。面白い出会いってあるものだ。

さてさてこのところ、ついご飯食べ過ぎてるので、気をつけないと。。。

いかなごのくぎ煮

(↑ かなり減ってしまった。二人とも、冷凍庫に入れれば長期保存できるって言うけど、その必要ありませんから〜。)

  • ひさみ

    2014年03月19日(水)21:39

    返信

    ぽんぽこさん

    いかなごのご紹介をありがとう!
    いかなごフィーバーも今年は終わりをつげました。
    また来年・・・・・
    一年は早いものです。

    そして、お向かいさんとの出会いもありがとう。
    いつもいつもお会いしてもあっという間に時間が過ぎてゆくのよ~
    お互いの辛かった話ばかりじゃあないのよ。
    人生の先輩にいろ~んな事教わっています。

    私は今、病気と闘っているぽんぽこさん、お隣さんしか知らない。。。
    ぽんぽこさんもお向かいさんにも今の私をしってもらった。
    それぞれ一生懸命生きている。
    病気になっていなかった頃の顔はしらないけど・・・・
    病気になっても一生懸命な顔を知った。
    辛さも解るから、今の一生懸命さは誰よりも分かり合えるんじゃないかな?
    何だかやっぱりうまく言えないけどお仲間さんに今の私を知ってもらえてよかったと思う。そう思う。
    病気になったけど、頑張るよ。
    一緒に歳を重ねようね。いっぱい。

    いかなごの弊害
    その1 いかなごを煮たあとは、身体中髪の毛の一本までいかなご臭がただよいます。(ただし、これはお風呂に入ると消えます)
    その2 食べすぎで、みごとにまんまるな身体に・・・・なりました。

  • りー

    2014年03月20日(木)18:29

    返信

    いかなごのくぎ煮!!おいしいですよね!!私も関西にお嫁に嫁いで、主人のお友だち(兵庫県の方)からたくさん頂いて初めて知りましたぁー!!全く同じようタッパ でびっくり!本当にご飯がすすみますよね~。
    ただ今、花粉なのかPM2.5なのか風邪なのか、鼻やらのどが大変な事になって体調もいまいちでしたが、いかなごのくぎ煮みてテンションあがりました(笑)

  • pom

    2014年03月21日(金)14:52

    返信

    いや〜調べれば調べるほど、いかなごフィーバーぶりに目を見張るばかり。りーさんが驚いた感じが私もよく分かります。いかなごの弊害、ぶひ〜〜!

    こういう話題って、なんか面白いですよね。

    >ひさみさん、
    私たちは今、病気と闘っているってものでもないよね。うまい言い方が私も見つからないんだけど、お腹のなかに、腸内細菌がいるみたいなもの?w 日頃、忘れているけど共存してますっていうか。
    ひさみさんの元気ぶりを、皆にも伝えさせてねん、覚悟しといてねっ(暴露ブログにならないよ〜に、チェックに出すから〜〜)。

    >りーさん、
    その後、いかがされているかしらんと思っていました。いろいろお疲れも出て、花粉やら何やらに攻撃されちゃったかも。
    地域ネタとか、「あるある」って思うことって、なんだか楽しいんですよね。
    でも、なんでもテンション上がることは良いですよね!!
    季節の変わり目、いっそうのご自愛を、ですよ〜〜。

  • ひさみ

    3月 19th, 2014

    返信

    ぽんぽこさん

    いかなごのご紹介をありがとう!
    いかなごフィーバーも今年は終わりをつげました。
    また来年・・・・・
    一年は早いものです。

    そして、お向かいさんとの出会いもありがとう。
    いつもいつもお会いしてもあっという間に時間が過ぎてゆくのよ~
    お互いの辛かった話ばかりじゃあないのよ。
    人生の先輩にいろ~んな事教わっています。

    私は今、病気と闘っているぽんぽこさん、お隣さんしか知らない。。。
    ぽんぽこさんもお向かいさんにも今の私をしってもらった。
    それぞれ一生懸命生きている。
    病気になっていなかった頃の顔はしらないけど・・・・
    病気になっても一生懸命な顔を知った。
    辛さも解るから、今の一生懸命さは誰よりも分かり合えるんじゃないかな?
    何だかやっぱりうまく言えないけどお仲間さんに今の私を知ってもらえてよかったと思う。そう思う。
    病気になったけど、頑張るよ。
    一緒に歳を重ねようね。いっぱい。

    いかなごの弊害
    その1 いかなごを煮たあとは、身体中髪の毛の一本までいかなご臭がただよいます。(ただし、これはお風呂に入ると消えます)
    その2 食べすぎで、みごとにまんまるな身体に・・・・なりました。

  • りー

    3月 20th, 2014

    返信

    いかなごのくぎ煮!!おいしいですよね!!私も関西にお嫁に嫁いで、主人のお友だち(兵庫県の方)からたくさん頂いて初めて知りましたぁー!!全く同じようタッパ でびっくり!本当にご飯がすすみますよね~。
    ただ今、花粉なのかPM2.5なのか風邪なのか、鼻やらのどが大変な事になって体調もいまいちでしたが、いかなごのくぎ煮みてテンションあがりました(笑)

  • pom

    3月 21st, 2014

    返信

    いや〜調べれば調べるほど、いかなごフィーバーぶりに目を見張るばかり。りーさんが驚いた感じが私もよく分かります。いかなごの弊害、ぶひ〜〜!

    こういう話題って、なんか面白いですよね。

    >ひさみさん、
    私たちは今、病気と闘っているってものでもないよね。うまい言い方が私も見つからないんだけど、お腹のなかに、腸内細菌がいるみたいなもの?w 日頃、忘れているけど共存してますっていうか。
    ひさみさんの元気ぶりを、皆にも伝えさせてねん、覚悟しといてねっ(暴露ブログにならないよ〜に、チェックに出すから〜〜)。

    >りーさん、
    その後、いかがされているかしらんと思っていました。いろいろお疲れも出て、花粉やら何やらに攻撃されちゃったかも。
    地域ネタとか、「あるある」って思うことって、なんだか楽しいんですよね。
    でも、なんでもテンション上がることは良いですよね!!
    季節の変わり目、いっそうのご自愛を、ですよ〜〜。

奥谷さんの奥さんのこと、若葉さんのこと

3月も半ば。だんだん春になっていく感じ。

寒い間、実は悲しい知らせが続いていた。奥谷さんの奥さん(I子さん)が天に旅立った。その前には若葉さんも。

「奥谷」という姓は「がんサポート」での仮名で(「がんサポート」の話はこちら)、池田組に「I子さん」と言えばピンと来る人も多いだろう。

I子さんは米村先生の患者さんとしては古参のほうらしい。米村先生にたどり着いたときには、2度の姑息手術を受けてから随分経ってのことで、粘液がガチガチに固まっていたという。それでも米村先生の手術を受け、ご夫婦で前向きに、過ごされていた。

私は確か、腹膜偽粘液腫患者支援の会でのお集い会で初めてご夫婦にお会いし、I子さんがコーラスやら何やらたくさん趣味があって、ご主人が「それに付き合わされているんですよ〜」と迷惑なのか嬉しいのかわからない表情なものだから、仲の良いご夫婦だなと思った。

I子さんは明るくて、活動的だった。「気の置けない友達と温泉も行くのよ」と話してくれた(I子さんはその時、ストマ着用だった)。

そんなI子さんに池田病院での受診で会ったりすると、やっぱりニコニコしているものだから、こっちもなんだか元気百倍になっちゃうのだった。そしてHappyさんも私も、I子さんのことを尊敬していた。

夏に「がんサポート」の取材のことから、I子さんが地元の病院に入院されていると知った。少しばかり厳しい状況なのだろうと推測できた。

周囲への気遣いを忘れないI子さんは、いつも皆から好かれ、ある意味、幸せなまま天へ旅立った人なんだと思う(上手く言えないけど)。。。

***

若葉さんは一度お会いした事があり、Facebookでも友達になっていた。

今、彼女のFacebookの投稿を見返し、、、あまり自分の顔を出すタイプじゃなかったなあと気づく。プロフィール写真でさえ顔出ししていない。彼女の顔見たさに過去にさかのぼったら、米村先生とのツーショット写真が出てきた。あの頃、お仲間の間で受診時にツーショット写真を撮って内輪に投稿するのがちょっとしたブーム(?)だったんだよね。その写真の彼女は痩せているもののそこそこ元気だった。

彼女の投稿はその後、辛いのをオブラートに包んで飲み込んでいる感じがした。また、息子さんの成長を見守る母の姿を感じる投稿も多かった。深読みしすぎかもしれないけれど、どこか、万一のことも頭によぎっているふうに見えた。

いずれ彼女のFacebookは、息子さんの手によって追悼アカウントになるのではと思う。友達の私は、これからも彼女の投稿を見て偲ぶことができるだろう。

ただ、一度しか会ったことがない彼女の、趣味や家族のことや、闘病生活を私が垣間見てしまったこと、またこれからも見られることは、いけないことのような気もしてしまう。私は彼女の辛い期間の友達なわけで、いったいそれってどういうことなのだろう。彼女が残したかった彼女像は、もっともっと元気な姿だろうに、でも私はその姿を知らない。