腹腔内温熱化学療法と抗がん剤感受性試験

池田病院での診察のときに、米村先生から伺ったこと。その3。

私の場合、手術で目に見える腫瘍は完全切除できたということだし、悪性でもないから、再発の可能性は低いようだ。とは言っても、絶対再発しないとは言えないらしい。だから経過観察が必要なのだろう。

でも、完全切除できて、腹腔内温熱化学療法が期待通りに効いていれば、ほとんど再発しないのではなかろうか。

そもそも、温熱化学療法で使われる薬は何か? 再発という「もしも」のために、私は手術時に細胞を採取してもらって、抗がん剤感受性試験を受けているが、この試験結果を見れば、使われた薬が効いたか効かないかもわかって、再発の可能性が予測できるのでは?と、素人の私は考えるのだが。

米村先生は、先生のPCに入っている私の抗がん剤感受性試験レポートをご覧になりながら、

「おお〜、何でもよう効くねえ。ジェムザールも効くわ。」

と大袈裟に感心されている。なんか私の細胞って単純っぽいじゃん。。。レポート結果は、タキソール、タキソテール、ジェムザールが高感受性と出ており、たったの3種類と思うのだけれど、成績がふるわない人が大勢いるのかもしれない。

腹腔内温熱化学療法で使われる抗がん剤は、病気(という仰り方ではなかったかも?)によって違うということだった。腹膜偽粘液腫の場合は、マイトマイシンを使うと仰った。

「アンタ、マイトマイシンは効かんな。」

私の結果は、マイトマイシンは増殖抑制有効率なるものが8.8%で、低感受性なのである。ちょ、ちょっとそれってー!?

「それじゃあ、温熱化学療法やっても意味なかったってことですか?」

「そんなことはない。感受性試験の場合は温熱にできないから条件が違う。温熱にすると薬が効きやすくなるから。」

と仰るので、増殖抑制有効率がゼロでもなかったし効いているはず!と思うことにした。(たとえば、オキサリプラチンとかいうのは0%だったので、それだと期待できない気が。。。)

また先生は、感受性試験をして、先回りしておくのだという。すなわち、先手必勝、もしも再発したときに効く薬剤を先に見極めておけば、当てずっぽうに薬を試して体にダメージを与えることもなく、ドンピシャで戦えるということだろう。再発した時には温熱化学療法でもその最適な薬剤を使えると仰っていた。

腔内? 腹腔内? 温熱化学療法

池田病院での診察のときに、米村先生(& 勝谷さん)から伺ったこと。その2。

署名活動をしている「がんの播種性転移に対する腔内温熱化学療法の診療報酬採択についての陳情」について、「腔内温熱化学療法」はHIPECを言っているが、いつもは「腹腔内温熱化学療法」と聞いている。もしかして「腹」が抜けてました〜なんて?

(HIPEC は Hyperthermic Intraperitoneal  Chemotherapy  の略。Intraperitoneal を調べると「腹腔内」を指すらしいのだけれど。)

先生の答えは「胸腔内もあるし」とのことだった。

勝谷さんへ。「いま何筆集まってますか?」

池田病院での診察時にいらっしゃった腹膜播種治療支援機構の副理事長・勝谷さんに、腔内温熱化学療法についての署名がどれだけ集まっているのか、おおよそリアルタイムでわかるようにしてほしいとお願いした。

署名を集めている者にとって、きちんと活動が続いているのか気になるし、またどれだけ集まっているかを署名してくださった方々、署名をとりまとめてくださった方々にお伝えしなければならない。

勝谷さんのお話では、サイトにカウンターなどをつけてお知らせできるようにするとのこと。

「ブログに書かれたらお尻に火がつくから」と仰っていたので書いちゃいましたからね、勝谷さん!!

勝谷さんもとてもお忙しいと拝察いたしますが、どうぞよろしくお願いします〜。

2012年8月29日「国際HIPEC学会」だそうです

池田病院での診察のときに、米村先生から伺ったこと。その1。

来月29日10時から京都で「国際HIPEC学会」があるとのこと。司会は米村先生。イタリア、日本、トルコ、韓国、アメリカなどから先生方が見えるらしい。Sugarbaker先生もいらっしゃると仰っていた気がする。

「ネットでICHO学会を検索したらわかるから」と先生が仰っていたので、調べてみた。

あった、、、The 11th International Congress of Hyperthermic Oncology (ICHO)
& The 29th Japanese Congress of Thermal Medicine (JCTM)合同大会が。

スケジュール表の29日の欄に「HIPEC for peritoneal dissemination today」があったから、これかと思う。

米村先生は休む間もなくお忙しくて大変だなとは思うのだけれど、こういった面でもご活躍いただき、より良い医療の恩恵を多くの人が受けられるようになってほし〜。

術後3度目の検診(2)

MRIを予約していると診察が優先されるのか、MRIが終わってそれほど待たずに診察に呼ばれた。先に来ていたHappyさんたちよりも先だ。

夫とともに部屋に入ると、米村先生は私の顔を認めるや

「ああアンタか。元気そうだねえ。ぶひっ。」

「先生は人の顔見ると、すぐにぶひって笑いますよね。むすっ。」

「ぶひっ」を訳すと「ヨカッタヨカッタ」で、「むすっ」を訳せば「ありがとうございます」である。

先生はすぐに「再発はしていない。問題なし」と仰った。そして私が受付で出していた銀座医院の紹介状から「アミラーゼは気にしないでだいじょーぶ。お腹、見せて。」

仰向けに寝てお腹を出すと、

「これ、どうしたんだ。」

「あ、コレはえっと、その、何でもないです、ただ貼ってるだけ。」

ケロイド予防というかケロイド治しに、恥骨部分からショーツのやや上まで傷跡にテープを貼っていたので、先生は何かあったかと思われたようだった。なぜか恥ずかしさが先に立って、理由をきちんと話さなかった。

「体重は増えた?」

「うーん、あまり変わりません。」

先生はおへその横あたりを何か所か押して、「だいじょーぶ」。

問題なく診察終了。やはり気が楽にはなる。あとはお聞きしたいことをサクサク伺った。

まず、腫瘍マーカーの値を。なぜかその日は結果が出ていなかったので、看護師さんが「後日郵送します」と仰っていた。半年前の結果を伺うと、CEAが1.1、CA19-9が8.5。だいじょーぶというより、まるっきり問題ないわ〜。

他に伺ったことはHIPECのことについて。署名活動をしていると、協力してくださる方がいろいろ質問を投げてくる。私自身もわからないことがあったので、この機会に伺っておきたかった。(質問内容は後ほどUP。)

HIPECの話に附随し、来月29日に京都で「国際HIPEC学会」があって、米村先生が司会をされるというお話を伺った。(詳細は後ほどUP。)

お話を伺っていると、米村先生はSugarbaker先生の手術数を軽く抜いていることがわかった。世界一だよ、先生。。。

*****

診察後、Happyさんたちに挨拶してから病院を出た。12時前で、これまでになく早い退出時間。次はまた半年後。今度はMRIなしで時間指定がないので、よほど早く来ない限りこんなわけにはいかないだろう。

この日、病院に来るために前々日からお腹のほうも万全に整えているから、お昼ご飯を食べてから帰ろうと、花火大会でにぎわう沼津の街を抜けて漁港に行った。行程には、付いて来てくれた人が楽しかったと思うイベントを盛り込んでおかないとね。

↓こんなの食べた。美味しかったけれど、やっぱり量が多すぎ。

   ちなみにお刺身の右上のビールは夫が飲んだもの。私はビールは胃が苦しくなるし、なんたって運転手だし! 運転できないって、ある意味特権。。。

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翌日、Happyさんから彼女の診察結果を聞いた。メールには「気になっていた症状は、よくあるらしくて心配ないらしいです。(中略)手術までの間、抗がん剤を飲むことになったし、温熱療法もやって下さることに」とあった。

Happyさんは良性だからか、前回の手術では温熱化学療法がされなかったという。今度、やればきっと大丈夫だよね。手術の順番が来るまで、なんとか抗がん剤の服用で症状を抑えて乗り切って。。。

 

術後3度目の検診(1)

土曜日は池田病院へ。岸和田徳洲会病院を退院してちょうど1年、3度目の検診だ。

一緒に行くはずだった弟夫婦が出勤になってしまったため、受診後の沼津花火大会見学&1泊旅行プランはとりやめたが、行く予定にしていた夫にはついて来てもらうことにした。夫は運転できないので(更新し忘れてそのまんま。ワタシ的にはあり得ないんですけどぉ!)いるだけだけれど、一人よりは断然いい。「SAMURAI」が入ったジャヴァンのCDなどをBGMに、「もしかして」とかそういったマイナスなことは考えるのをやめて、すっかり夏気分で病院に行った。

受付を済ませていつもの待合室に行くと、9時前でもけっこう人が待っている。奥の椅子から私に手を振る人が。Happyさんだった。横には患者支援の会で知り合った方もいた。私たちはHappyさんの横に座った。

Happyさんが私を見て「すごく元気そう。来るとこ間違えてるんじゃないのー?」と冗談を言う。私は彼女のお腹に目をやる。聞いていたとおり、大きくなっている。

どんどん人が増えていって、待合室はいつものようにいっぱいになった。誰とでも気さくに話すHappyさんは、顔見知りになった人たちに挨拶をしに行く。Happyさんが戻って来て、私に話す。「今の人は手術の予約が7月なんですって。」

その女性はとってもお腹が大きくなっていて、杖なしでは歩けないようだった。

「7月って今月でしょ? あと何日もないじゃない。」

「手術、100人以上も待ってるらしいのよ。」

今、予約どおりにいかないらしい。私の手術のときは、すぐに日にちが決まって予定どおり手術できた。推測だが、厳しい余命宣告を受けた人の駆け込みが増えていて、当然一刻を争う人を優先するから予約どおりにいかないとか、ベッドが空かないとかではないかと思う。

Happyさんの予約は来月だけれど、この調子だと難しいのかも。腹膜偽粘液腫は米村先生が診る患者の中では、「余裕」がある場合が多いからだ。ちょっとくらい苦しくても、放置というか。それは先生がサドだから〜、じゃなくて、もっと崖っぷちの人がたくさんいるからだと思う。

Happyさんと話していると、今度は別の人がHappyさんの元へやって来て話し始めた。その方は若い男性患者さんのご家族だった。

二人の話を聞くこともなく聞いてしまった。プライベートすぎて、ここで書くのはためらわれる。腹膜偽粘液腫という病気が一気に不幸をもたらしたような話だった。

*****

順番に血液検査に呼ばれ、私の番も来た。MRIの予約時間が10時半だったので、終わるとすぐMRIの部屋に呼ばれた。

入ると、「テイク・ファイブ」がBGMに流れていた。もはやMRIの達人、着替えないでOKな服装で来ているから、腕時計だけ外して横に。今日のチョイスはスタンダードジャズらしく、轟音の途切れ途切れに今度は「バードランドの子守唄」が聞こえて来る。

「バードランドの子守唄」といえば、ドラマ「DOCTORS」のエンディングテーマ曲でJUJUちゃんが歌っていたよね。昨年後半、私の頭の中のテーマ曲にもなっていたよ。。。

次の曲は「You’d be so nice to come home to」で、その次は、、、眠ってしまった。何しろ達人だから。

明日の準備

昨夜のうちにガソリンを満タンにしておいた。明日は早い。半年ぶりの米村先生の診察の日で、池田病院に行く。

先生にお聞きしたいこともリストアップ済み。Happyさんにもお会いする。来月手術予定のHappyさんは体調が良くないので、早い手術を望んでいるが日にちがまだ決まっていない。話を聞くと、こちらもドキドキする。

オリンピックのサッカー、女子も男子も勝ってることだし(関係ないんだけど)、きっと明日はみんな良い結果!

咆哮

自宅でお構いなくゲップをしたら、夫が天に向かって吼える真似をした。

「咆哮してるみたいだね。ガオ〜って。」

「咆哮」なんて単語、ふつう、会話に出て来るものかなあと思いながら、虎が吼える姿を思い浮かべる。なのに、どうしてもタイガーバームの虎の絵しか頭に浮かんでこない。あの虎は確か、吼えていなかったはずだ。走っているようなそうでないような、ナンダかなぁな虎じゃなかったか。

映画が始まる前に吼えるライオンのほうをイメージできなかったのは、自分のイメージとあまりにかけ離れすぎてるからだろう。東南アジアのナンダかなぁが性に合うってことよ。ゲプっ。

夏のイメチェン、のつもり

気分が盛り上がらない。夏だし、気分を変えたいし、ということで先週末に髪を切った。10cm以上切ったと思う。でも、「年齢的に似合わなくなるまで長いままでいる」と決めているから、肩よりも長い「セミロング」くらい。

美容師クンが切ってくれてゴミとなった髪を写真に撮った。夏だし、幽霊出てきそう。。。(怖いもの見たさでどうぞコチラ。)

自分がオーダーしたくせに、名残惜しそうな顔をしているものだから、美容師クンは「似合ってるよ。最初は見慣れないから変に感じるけれど、すぐ慣れるし」と、鏡の中の私を見ながら言った。

そうだよね。じっくり見ていると、あれ?ワタシ、佐々木希ちゃんっぽい?(んなワケないー!) だんだん、気に入ってきた。

HIMEさん・TONOさん

「美人の会」のHIMEさんはかなりご近所なので、もはや宅飲み仲間になっている。私も最近はかなり食べられるし、前ほどはゲップも出なくなったので(気を許すと結構出ちゃうんだけど)、気楽な飲み会は楽しい。自宅ならトイレの不安からも解放されるし。

先日もご夫婦で拙宅へ来ていただいた。その日はTONOさん(HIMEのダンナさんだからTONOってことで〜)秘蔵のワインが供出され、大いに盛り上がった。

ちょっと申し訳なかったのは、その日、私はTONOさんの言葉に絡んでしまったのだった。

話はこうだ。HIMEさんの病気がわかったとき、TONOさんは、病気と対峙しなければならない彼女を慮ると可哀想で、自分が守ってあげなければと思ったという。愛に満ちていて実に良い話じゃないの〜! にも関わらず、なぜか私はそのとき、TONOさんがHIMEさんを従属させているような気がする、みたいなことを言ってしまった。

「えっと、彼が言っている意味は、、、」とHIMEさんが入って、話はそこですんだ。

思い返すと、別に従属感はないわけだし、なんで私はそう思ったのだろうかと不思議である。「可哀想」という言葉に過剰反応してしまったのかもしれない。

この会話に口出すこともなく共に飲み食いしていたウチの夫はといえば、以前聞いたことだが、私が病気とわかったときに思ったのは、「これから自分はどうやって生きて行けばいいのだろう」で、専ら自分の心配である。ったく、ちょっとは私を可哀想とか思ってほしいわ!

話はずれたが、そんなこんなでも、HIME & TONOは懲りずにまた来てくれるらしい。冬は花咲ガニ持って来てくれるんだよね! カラの鍋と野菜を用意しておくよ〜ん。