2012年7月19日「第67回 日本消化器外科学会総会」の演題詳細に「一般演題93:虫垂3」として「腹膜偽粘液腫に対する腹膜切除術の術後合併症の検討」の抄録内容が掲載されている。
http://www.myschedule.jp/jsgs-toyama67/detail.php?kouen_id=272&sess_id=2340&strong=1
発表者は草津総合病院外科の先生方と米村先生。
これによれば、205症例236回の手術の施行で「Grade 3以上の術後合併症を46例(19%)に認めた」とある。Grade 3 は、私の知識だと合併症の手術をした方がいいでしょうなレベルで「ちょっとマズい」状況、Grade 2 以下なら何もしなくてもそのうち治るか内科的処置で「平気平気」な状況、だと思う。だから問題となるのがGrade 3 以上である。
合併症の内訳は、「腹腔内膿瘍8例,縫合不全8例,胃・小腸穿孔9例,消化管瘻4例,膀胱瘻1例,イレウス4例,術後出血6例,DIC2例,敗血症2例,呼吸不全1例,医原性横隔膜ヘルニア1例」。
先般発売された「腹膜播種に対する腹膜切除アトラス」の本の151ページにある腹膜偽粘液腫術後合併症に掲げられたものよりも、合併症のパーセントが若干低くなっている。腹膜偽粘液腫とわかってすぐに米村先生のところにたどり着く患者が増え、重篤な患者が減ったことから、だんだん合併症数も減ってくるのだろう。また、先生方の日々の手術方法の改善もあるのだろう。
それにしても、19%という数字は高いか低いか。5人に1人が合併症というのは。
腹膜切除術はやはり、大変な手術なんだろう。だが、受けた本人としてはその実感はない。術後、胸水がたまったり、十二指腸だったか吻合部狭窄で食べた物が落ちて行かなかったりしたけれど、取り立てて何もせず治ったし。5人のうちの4人のほうだったから。
合併症を引き起こしやすい人というのもあると思う。たとえば高齢になれば自然治癒力も劣るから引き起こしやすいはずだ。他にも糖尿病の人とか? どこに書いてあったか見つけられず、勘違いしてるかも。曖昧な記憶なのでこれ以上書くのはやめておく。
話は違うが、「第67回 日本消化器外科学会総会」には、他にも腹膜偽粘液腫についての演題が7つもあった。ついでに読んで面白い(いろいろな意味で)と思ったのは私だけ?