ぼくのエリ 200歳の少女

本日の一本@単館上映系。
『ぼくのエリ 200歳の少女』。
2008年の、スウェーデンの作品。
ジャンルは、ホラー……でいいのかなあ。ホラーとしか言い様が無いとは思うんだけど、ホラーと一口に言っていいものかどうか。
少なくとも、ホラー=怖い、っていう図式の話では無いです。
──毎日毎日、同級生達に苛められてる苛められっ子な12歳の少年が、母親と二人だけで住んでるアパートの部屋の隣に、中年男性と、同い年くらいの少女って組み合わせの二人が引っ越してくるのね。
主人公の少年:オスカーと、隣人になった少女:エリは徐々に仲良くなって行くのだけれど、エリは人間でなくてヴァンパイヤで……。……という話。
話の中に、ブレジネフ書記長が、って科白が出て来たから、作中の時代設定は、三十年くらい前なんじゃないかな。
──公式サイトに載ってた粗筋とか、ニュースサイトの記事とかから、多分、とは思ってたけれど、ホラーと言うよりは、恋愛映画のような雰囲気が、ひしひしとした。
見始めて一寸した頃は、「うっ! ホラーとは名ばかりの恋愛映画!?」とか思ったけど、やっぱりホラーと言うか、ホラーな恋愛ものと言うか、恋愛ものなホラーと言うか……。
オチは、ほぼ、想像してた通りだったけれども。
うん、ホラーはホラーで、スプラッタなシーンとかもあるんだけど、根底は、恋愛がテーマなんじゃないのかなあ、この映画。
吸血鬼と人間の恋愛。下世話に言ってしまえば、人である者と、人でないモノの色恋(と言うか……)。
ほんで以て、そういう絡みもあるからだと思うけど、激しく物悲しい。つか、淡々?
エリの実年齢は兎も角、オスカーとエリが、互い、十二歳前後だから、色々が、綺麗で純粋で残酷で幼くて、見えない薄い膜があるような感じ。
何て言えばいいかしら、シャボン玉の中の世界の、シャボン玉のような恋と出来事と言うか。
……まあ、どんな創作物でも、駄目な方には駄目で、この映画も、駄目な方には駄目と言うか、結構好き嫌いが分かれる気がするのだけれど、私は、お薦めな映画だと思うです。
但、これの原作は、文庫本だと上下巻の長編らしく。
映画館の売店に置いてあったのチラっと見たけど、結構な厚みを要する原作を、115分の映画に纏めてるから、何処かしら、無理矢理に詰めた部分はあるんじゃないかなあ、と。
説明が足りない、と思われる方もおられるかも知れない、とも。
近々、原作も読んでみようと思ってるので、原作読んでみたら、又、感想変わるかもだけど。
帰宅後、ちろっとネットを彷徨ってみた処、どうやらこの話、原題のタイトルに深い意味があるらしく(邦題は、全然関係ないタイトルらしい)、その辺も、一寸知りたい。
でも、今日は原作買って帰って来なかったの。何故って、重いから……(笑)。
だから、あまぞーんでポチるんだ~。

そうそう。
この映画、ハリウッドでリメイクすることが決まっているそうな。
『クローバーフィールド』の監督さんで。
…………ハリウッドは手を付けない方がいいような気がするなあ……(小声)。
いかにもハリウッド映画、ってノリの、「ビシッとバシッとヴァンパイヤホラー!」ってな風にリメイクされたら、私は悲しい……。

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