戦争のはらわた

本日の一本@とても有名処の筈です。
だって、『戦争のはらわた』。
1977年の、英国&西ドイツ(当時)の作品。
戦争映画。
──第二次世界大戦中の、東部戦線でのお話。
大戦中のどの辺かは一寸私には判らなかったなあ、スターリングラードでどうの、って科白があったから、多分、スターリングラードの戦い以降ではないかと思うけど。1943年くらいかな。
ソ連(当時)とグッチャグチャの戦い繰り広げてる最前線にいる、旧ドイツ軍の小隊長さんが主人公で、将校なんか大嫌い、ってな彼と、勲章貰うことだけに情熱傾けてる大尉との確執(と言うか)を軸にした、やっぱし、グッチャグチャな物語。
──観たことなかった気がするなー、と借りてみた。以前から話には聞いてた通り、それなりに鬱な映画だった。
色々がグッチャグチャで、戦争映画としては大変素晴らしいかと。
旧ドイツ軍側のことだけを描いたって意味では、異色なのかも。
少なくとも、二次大戦中のことを描いた数多の戦争映画にありがちな、連合軍側が悪の敵国@当時の枢軸国をぶっ倒すぜー、ってな、「そんなに、自分達だけが正義だと言い張りたいのかね?」ってノリの映画ではないですな。
但、この映画、観る人を選ぶ気がする。駄目な人は駄目な映画かも。
個人的には良き映画、と思いますが、戦争映画苦手な方は、敬遠された方がいいかも知れない。

グランド・クロス レボリューション

本日の一本@日本未公開映画。
『グランド・クロス レボリューション』。
2010年のお米の国の作品。
ジャンルは、パニックだそうな。
レーベルは「プライムウェーブ」、販売元は我等がアルバトロス!(笑顔)
知らないで借りたけど、ちゃんと嗅ぎ分けてたのね、私。偉い、私!(とても笑顔)
──折角なので、アルバトロスの公式に載ってる、このDVDの紹介ページよりストーリー絡みの転載をば。

そして預言は 現実となる
世界各地の巨大遺跡 それは古代人が遺した《地球再生装置》だった
文明を滅ぼし生命を進化させるため 覚醒したイギリスのストーンヘンジ
メキシコ・インドネシア・エジプト 連鎖的に起動・爆発するピラミッド群
破壊と災厄の果て 人類は預言された“終末の時”を迎えるのか?

……うん、まあ、こういう話ではあった。
ストーンヘンジを中心とした世界中の遺跡が地下のエネルギー網で繋がってて、一つの遺跡の目覚めと共に、地球再生装置な遺跡達が始動、ストーンヘンジ頑張っちゃう! ってな感じではあった。
予言なんて、碌に出て来ないけど。
唯一登場した遺跡内部も、百歩譲って遺跡内部ってことにしてあげてもいいけど、そんなに綺麗な遺跡があるか! ってなもんで。
で、「人類が滅びるー!」ってな事態になっちゃったんで、ご多分に漏れず、科学者の皆さんが何とかしようと頑張る訳ですが。
この話、メインの舞台が、イギリスのストーンヘンジ一帯なのですよ。
でもね、ストーンヘンジの頑張りを止める為の鍵は、アメリカはニューヨークの考古学博物館の中なのですよ。
主人公は学者ではあるけれど、訳の判らない説ばかり唱えるってんで、誰にも相手にされてないような人物で、故に、ストーンヘンジに駆け付けた時も、不法侵入者ってことで逮捕されちゃってて、ニューヨークに行くぞー! ってなった時は、話を信じてくれた女学者と協力してくれることになった軍の少佐と結託して、侵入者の移送ってことで拘束場所から抜け出したのに、どーやって、数時間と経たぬ内にニューヨークにいられたんでしょうか、と突っ込まずにはいられない。
ニューヨークからイギリスに戻った部分は判るんだけどさ。軍の皆さんが協力してくれてたからさ。
でも、行きは。行きは、誰がどうやってどのように彼等をアメリカまで運んだのか、突っ込んじゃいけない部分だと判っていても突っ込みたい。
とは言え、何だかんだと突っ込みつつも、うははは笑いながらラストまで駆け抜けられた辺り、発売元は我等がアルバトロスなだけのことはあるのだろうか、と言ってあげてもいいのかなー(笑)。
この手の映画にしては、ちょっぴりだけ珍しく、そこそこのバッドエンド&ダークで、そこは多少意表だったしねん。

絞殺魔

本日の一本@有名処……ではあるのかなあ……?
『絞殺魔』。
1968年の、お米の国の作品。
ジャンルは、ツ○ヤ曰くはミステリー。
原題は、ボストン・ストラングラー。
1962~1964年に掛けて、実際にアメリカのボストンで起こった、通称・ボストン・ストラングラー(ボストン絞殺魔)って輩の連続殺人事件が基になってる映画。
作中の犯人も、メインの捜査官も、実在の人物ではあるけれども、史実通りではないです。
と言うよりも、この映画、史実とは全く別物と思った方が良いような気がしますな。
──1963年のボストンが舞台。
丁度、ジョン・F・ケネディが暗殺された頃。女性ばかりをターゲット&殺害方法は絞殺っていう連続殺人事件が起こって、何とか犯人を挙げようと警察も頑張りはするのだけど、如何せん、手掛かりが何にもなくて……、ってな、この手のジャンルとしては、王道系のお話。
……ま、実際の事件が基だしね。
但、映画の中の「ボストン・ストラングラー」は、そういう成り行きで犯罪に走ったのだとしたなら、同情の余地はあるのだろうな、と感じられなくもない風に描かれてるけれども、実際のボストン・ストラングラーは、そんなこたぁなく。
この手の犯罪を犯す奴にまつわる記録ってのは、大概そういうノリだけれども、ボストン・ストラングラーもご多分に漏れず、も、エッチぃことがやりたくってやりたくって仕方なかった挙げ句に驚異的な絶倫さんで、当時の記録には、「あー、この人、リアルで変態で、マジで頭が一寸……」と言わざるを得ないやり口が残ってるよーな犯罪者なので、映画の方は、完全な創作だと思って観るのが宜しいかと。
120%創作、と思って観れは、悪くない気もする。
実際の事件思い出しつつ観ると、或る意味、具合悪くなる気がする。
後、個人的には、そこまで捜査の外れ具合を描かなくても良かったんじゃないかな=もう少し、その辺はコンパクトな展開で良かったんじゃ、と思った辺りが残念かな。

シーラ号の謎

本日の一本@んー、多分、有名処。
『シーラ号の謎』。
1973年のお米の国の作品。
ジャンルは、ミステリーかな? サスペンスかな? 兎に角、その辺。
──あるパーティーの夜、性格は難ありな感じの、でも大物(?)な映画プロデューサー@クリントンと、妻のシーラ@コラムニスト(らしい)が夫婦喧嘩(多分)をした。
家を飛び出したシーラは、その直後、轢き逃げされて死亡してしまう。
その一年後。売れなくなった脚本家&その妻、芸能プロダクションの女社長、あんまし売れてない女優&そのヒモみたいな夫、やっぱし売れなくなった映画監督、ってな、クリントンさんともシーラさんとも親交があった六名が、クリントンさん所有の「シーラ号」って船の中で行われることになった、ゲームに招かれる。
ゲームの賞品は、クリントンさんプロデュースの『シーラの最後』って映画に参加する権利だったので、六名全員、張り切って参加するのだけれど、そのゲームの本当の意図は、誰がシーラさんを殺したのかを明らかにするってもので……、ってお話。
──これ、面白かったです。
ジャンルが、「真犯人は誰だ!?」系なので、あんまり多く語っちゃうとネタバレしちゃうんでアレですが、中盤辺りで、「え、ここでこんなことが、もう起こっちゃうの?」なノリの展開とかあって、どんでん返しもあって、割と色々が皮肉で、個人的には、大変良い感じでした。
この手のジャンルがお好きな方には、お薦めかと。
キャラ達の設定が設定なんで、一寸、ドロドロしてますが、ドロンドロンじゃない(@ワタクシ基準)から、そっち絡みは、割合にサラリと観ていられるしねん。

ウエスタン

本日の一本@有名処。
『ウエスタン』。
1968年の、イタリア&アメリカ作品。
英題は、『Once Upon a Time in the West』。
ジャンルはマカロニ・ウエスタン。
──西部開拓時代末期のアリゾナが舞台。
復讐に生きてる、最後まで名前が判明しない&しょっちゅうハーモニカ吹いてる(理由はちゃんとある)為に、ハーモニカ呼ばわりされてる主人公と、結婚式当日に旦那と旦那の連れ子を殺されちゃったヒロインと、ヒロインの家族殺しの冤罪掛けられちゃった悪漢なオッサンと、真犯人グループ及び黒幕の皆さんの、生き方や人生のお話。
──ひっっっさし振りに、西部劇観た。
西部劇が流行らなくなって久しいってのもあるけど、ほんとーに久し振りだった。
ワタクシ、レンタル屋で見掛けるまで、この映画のこと知らなかったんですが、男臭い、大変西部劇然とした西部劇だったんじゃないかと思いまする。
映画ー! って映画でもあったと思う。傑作。
ストーリーの本流だけ鑑みれば、あってもなくても影響ない、でも作品には必要な、大変色気のあるシーン達が溢れてた。
魅力的過ぎて拝みそうになった。
……あ、ウフンでアハンな意味の色気じゃない色気の方ね(笑)。
何がどうしてどうなっているのでしょうか? って処にまで辿り着くのに、ちょいと時間掛かるので、始めの内は、「んー……?」と思う方もいらっしゃるかもだけど、別に耐えられない訳じゃない。……とワタクシは思う。
俳優さん達も、チャールズ・ブロンソンとかヘンリー・フォンダとかいった、お好きな方には堪らない皆様。
やっぱし、ワタクシは知らなかったんですが、ワタクシの大っ好きな映画の一つ、『Once Upon a Time in America』という、アメリカの禁酒法時代の裏社会を描いた作品(主演はロバート・デ・ニーロ。これも傑作ー!)と、監督さん、同じ方だったのね。
何となく納得だわ。確かに、言われてみれば匂いが同じだわ。
あー、堪能、堪能。