ice cream castles in the sky

それから先のことは…

それから先のことはとりあえず何か「ご祝儀」に一曲と思っていろいろ検索したり試聴したり(本当にいつも行っているCD屋さんにいるのと同じような感覚になれるのも素晴らしいね)してみたのだけれども、結局はじめに買った曲は単曲ではなく、アルバムでした。中学生の頃買って、LPのアルバムとしては持っているもの。実家のレコード棚に今は眠っているアルバムの一つ。一時期CD化されていたらしいのだけれども、今は出回っていない。そんなアルバムを思いがけず見つけてしまった。加藤和彦の「それから先のことは…」。
中学生にしてはちょっとませたアルバムだったのかもしれない。ラジオで収録曲の「シンガプーラ」を聴いて、その曲の向こうに見える風景にある大気や水分が一気に体に満ちるのを感じた。するとすぐにアルバムも欲しくなっちゃったんだと思う。北山修さんやフォークル繋がりということもあったのかもしれない。または耳のどこかに残っていた「タイムマシンにおねがい」とか…、そういういろいろな欠片が偶然組み合わさったということもあった。
オーディオなんてものに少し首を突っ込み始めた頃でもあり、親の臑をかじったりバイトしたりして買ったステレオで聴いたそのアルバムは少なからずショックだった。ジャケットからしてその加藤和彦さんのいでたちに目を見張った。今見てもカッコいいよね。聞こえてきた音楽もそう。聴いたことのない詩に、一度で気に入ってしまう曲がどれも付いていた。東インド会社とか、タヒチとかそのコトバと響き。そのずっと後にゴーギャンが好きになったことと無関係ではなかったとさえ思う。そこで種は撒かれていたのかもしれないなんて。「フランスベッドにあの子とGEキッチンあれば 後はどうにかなって行くでしょう(キッチン&ベッド)」なんてのは、まんま今の自分のベースじゃん。個人的に知っている人は笑うだろうな。そうやって「女の子」とのこととか「おしゃれ」っていうものとかを少し先の憧れとして溜め込んでいたのだろう。
二十年くらい前に家を出た後は割合身軽な引っ越しを繰り返し、時々は次にこのアルバムを聴けるのは何時だろうと思い出していた。LPからデータに起こすサービス等もあると知り、頼んでみようかとも思ったりした。でも忙しさに流されてしまい今まで…。こんな形で最高の再会ができるなんて思ってもいなかった。
Love iTunes. Love Apple!

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