「一枚の写真」
富士フィルムが始めたフォトプリントのCMがいい。同じアイデアで何パターンかあるみたいだけれど、現在見たのは2編。
画面の中央に置かれた写真がある。はじめから終わりまでそのままだけれど静止画ではない。コップの水がゆらいだり、微かに風が吹いたり。
その写真を囲んでいる人たちの会話が流れてくる。それだけのCM。レイアウトとコピーと音楽だけで見せ切る。
ひとつは子犬の写真。家族がそのペットの写真を囲んで話し始めると、途中で判るんだ。今はもうその子はこの世界に存在しないのだなということが。でも感傷的じゃない。努めてさらっと振り返る。だからこそ本当に大切な家族だったのだということが伝わる。
もう一つ見たのは高校生かな仲良しの何人かの女の子が笑顔で写っている。1年前の写真。ストーリーは、まあ見てください。
富士フィルムのページに行ったらもうアップされていた。7編あるらしい。最近は放映と同時に載せちゃうのかな。
写真って、いいじゃないか。
CM、見たことなかったんで、富士フィルムさんで見て来ました、師匠。
………………狡い。
とっても褒め言葉な意味で、狡い、このCM。
そう思いましたよ。
狡いよねえ。クサくならずに、作為を見せずに。
作っているチームが「おとしどころ」を明確に意識して、コントロールよろしくそこに落としてくる。こういう広告を見ると上手だなあと思って、いち広告ファンに戻ってしまいます。
それにしても、そろそろまたカメラ欲しーなあ。