吉祥寺へ
3月下旬並みとのこと、寒いくらいの金曜日の夕暮れに吉祥寺へ。映画「タカダワタル的」が最終日だった。
前日の段階では、この忙しさでは絶対無理。結局フォークルのコンサートみたいに見に行けなかったなあ。と頭の中では片付けていたのだけれども、徹夜仕事の朝方、わけもなくやっぱり行きたい。何とか行けないか、という気持ちになった。
ナイトショーだったから何とかなったのだと思う。昼間の約束は映画とは関係なく明日の朝まで延ばしてもらっていたし、もう一つの約束は午前2時前アップだった。えーい、行っちゃえ。
午後7時半から当日券発売ということだったので7時少し前に吉祥寺バウスシアターに着いたら、すでに20人くらい並んでいた。券を買った後は9時過ぎの上映まで時間があるので、いかにも渡さんが行きそうな、店の中も外も無いような店で一杯飲もうと思っていたのだけれども、何軒か覗いてみたところ何だか敷居が高い。こういう店は自分の街だからこそ気軽に入れるんだよなあ、と思う。吉祥寺は人なつこい街っていうイメージはあるのだけれども、やっぱり自分の街じゃあない。結局ちょっと外れの場所にある焼き鳥屋に行った。田吉っていう店で、これが大正解。旨かったなあ。くいくいっとやっていたらあっという間に9時前になってしまって早足で映画館に戻った。
映画にはライブ映像が挟まるのだけれども、本当のライブを見ているみたいに何度も胸に迫る。曲の終わりには拍手をしたくなり、小さく手を叩いた。映画の終わりに本当の拍手が起こったのはみんな同じ気持ちだったんだろうな。最後の方、アンコールで呼び出されて渡さんが出てくる場面では、暗闇からすうっと、あれ帰ってきちゃったよって、そう思った。そういうわけで渡さんは生きている。これからもずっと。
映画の後、最終日だということでゲストを迎えたトークがあった。中川イサトさんだ。進行役の人が最後にDVD発売の告知。本編は1時間なのに、特典が2時間も付いていると会場を笑わせる。ライブ映像も10曲くらい多く入っているそうだ。
行ってよかった。そういえば、この映画館はすごく昔に「ラストワルツ」を見た所だったのだと、当日券を並んでいるときに気づいた。
今度の事でネットで知り合った方からいただいたCDがあるのだけれども、忙しくて聞く時間がとれないでいた。バーバンでもやりながらのんびりと聞きたいと思っていたから。でももしかしたら忙しさ以外にも聞けない理由があったのかもしれないと帰りの電車で思っていた。今日の映画でそれは消えたような気がする。