ice cream castles in the sky

野茂が見せてくれたもの

野茂がすごいピッチャーだということは間違いない。ただ優れた選手というだけではなくパイオニアと呼ばれる通り存在そのものがある意味象徴にもなっている。好きな選手だし、通算200勝は本当に嬉しいニュースだ。
でも野茂の試合の記憶と言うと僅差でひやひやしながら見ていたことの方がより多く残っている。あのメジャーで2度のノーヒットノーランを達成しているように、またエースと呼ばれるピッチャーがそうであるように、完璧な投球をして相手を圧倒することも何度もあったはずなのに、ピンチで大汗をかいている野茂の姿を思い出す。

野茂の勝ち方というものがある。たとえば近鉄時代、史上初だったらしいが、毎回の16四球を出しながら完投勝利したことなどがそうだ。ランナーは出すけれども、要所を締めて相手の得点を最小限に抑える。頻繁にランナーを背負っても兎に角最終的に試合を勝ちゲームに持ち込むのが野茂のスタイルだった。
海を渡ってメジャー初勝利までも時間がかかった。ディスカウントショップのテレビ売り場で、大画面テレビに映る野茂を心の中で強く応援した。あの頃は毎試合好投しながらなかなか勝てなかったのだと思う。美しいドジャースタジアムで1対0でリードしていながら四球がらみで満塁のランナーを背負った6回表なんて言う場面を何度見たことか。あれが95年か。10年前のその頃は個人的には独立して間もなく、仕事も少なかったんだけれども何だか毎日が楽しかった。その同じ時代に奮闘する野茂がいて、ああ、そうか、天皇賞でライスシャワーが勝った年だったんだな。
衰えなどという人もいるけれども、野茂は何一つ衰えたりなんてしていない。上を見続けてきたからこその、その証が記録という単なる数字なのだ。この後の一試合一試合の一球ずつ。それをできる限りしっかりと見続けていきたいと思っている。

One Comment

  1. Vivid Association 2005年6月17日

    野茂投手おめでとう!
    野茂さん、やりました! 遂に、200勝達成!! おめでとう??!!!

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