ボストンの春
日本に来たかと思えばオープン戦に逆戻りしたりとバタバタしたシーズンインになってしまった今年のボストン。でもここに来てチームも落ち着いてきた。オルティスは遂にお目覚めの一発を放った後調子がいいし、小柄ながら生きのいい若手の二人のエンジンも全開に近くなっているようだ。エルスベリは今日なんと2ホームランに加えて鮮やかなセーフティバントで決勝点に絡む活躍!その後決勝打を放ったペドロイアは4安打固め打ち(昨日もマルチ)!
今年はさらにラウリーというショートストップが成長目覚ましい。ショートにはルーゴがいて、とても好きな選手なのでどちらも活躍してほしいのだけれども、ラウリーの将来性を考えるとわくわくするのは正直なところだ。
ボストンのショートストップにはもともと生え抜きでMr.Bostonと言ってもいいような素晴らしい選手、ノマー・ガルシアパーラがいた。今はすっかりドジャーブルーが似合う選手になってしまったけれども(今でも応援しているよノマー)。そんな記憶があるので「生え抜き」「ショート」と並ぶとボストンファンはついくらくらっと来ちゃうんだ。
ちなみにエルスベリのポジション、センターにはこちらも大好きな選手ココ・クリスプがいたりする。ああ、悩ましい。
ところでそのエルスベリ(アメリカ原住民を祖先に持つとのこと)、見ているととても首脳陣にかわいがられているのが判る。出塁すれば1塁コーチから何やら話しかけられ、サードに進塁すれば、今度は3塁ベースコーチに真正面から(顔近)お説教(じゃないかもしれないけれども、そんな感じに見える)。得点成れば帰ったベンチでフランコナ監督から此処へ座れと肩を抱かれてしばらく「お話」。こんなことがたまたまではなく何度も映し出される。決してエルスベリの野球が未熟であるわけではない(そもそもそんな奴がメジャーに上がれるわけがない)。今日などはそれどころじゃないだろうっていう正にゲームが動いている瞬間にもフランコナ監督、エルスベリを呼び二言三言言ってはグラウンドをにらみ、また振り返って二言三言。それを繰り返した末、体をポンとたたいて席に返していた。幸せな選手だなと、いいチームだなとつくづく思う。
大型選手の前後に実力派。それに若手がバランスよく回りを固める。みんな個性的でほんっと見ていて楽しい我がチームは、その編成そのものがファンタジックでもあるのだと思う。