これでいいのだ
ニャロメやおそ松くんがいる世界は、私が昭和を取り戻す時に一番便利な景色だ。アトムは時代を超えて飛び回っているし、藤子不二雄が描いたものからは子供心に一番影響を受けたかもしれないけれどもそれは「作品」であり、在りそうで無いお伽噺としての素晴らしさだった。
ちょっと路地を入ればそこにニャロメがいてバカボンの家がある。同じ土の上で、まるで地続きの身近さ、そこにそういう世界があってくれる事の貴重さは変えがたかった。もちろん全てぶっ飛ばし超越してしまうようなギャクシーンもあるのだけれども、底に流れる親しみ易さは図抜けていたと思う。
タモリの弔辞がとても良い。
あなたの考えは、すべての出来事、存在をあるがままに、前向きに肯定し、受け入れることです。それによって人間は重苦しい陰の世界から解放され、軽やかになり、また時間は前後関係を断ち放たれて、その時その場が異様に明るく感じられます。この考えをあなたは見事に一言で言い表しています。すなわち『これでいいのだ』と。