ice cream castles in the sky

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この短い秋のこと

大きな仕事は山を超え、最後の工程。印刷物でもそうだけれどいまだに入稿作業が一番緊張する。WEB作業は尚更。最後に本サーバに載せる時、表示されるまでのあれこれ。たまらん。WEBのほうがより緊張するのはまだ完全には慣れていないというか、仕事を見通せていないのだろうな。

昨日今日と家に工事が入っている。昨日は子供の頃自分の部屋として使っていたプレハブ6畳の撤去工事。元々母屋にあった「勉強部屋」は3畳間で、悪くない部屋だったのだけれど、我儘だった子供時代、ねだって建ててもらったのだった。そこそこの年齢になり使用期間が終わった後は妹が自室として使った。その後は何十年もかなり雑な物置として使っていたのだけれど、諸々整理もできてきたので老朽化もありこの際撤去することにした。流石に少し寂しかったが、その跡地に立ったら元々その建物が無かった頃の記憶が蘇ってきて気持ちが揺れた。

今日は母屋の茶の間として使っていた四畳半のフローリング化工事。これは予定外の出費となった。四畳半の真ん中の半畳は昔、冬には畳を上げて掘り炬燵にする仕組みだったがそれを止めてから40年以上が経って……陥没〜補強材を入れるが再び陥没〜その際にシロアリ発生を確認となってしまった。プレハブ撤去の他にも施工したいあれこれはあったのだけれど、それらは保留にしてシロアリ駆除が最優先となった。加えて畳敷をやめフローリングにすることにした。

ともあれあと10〜20年持ってくれれば良い。運が良ければ次の誰かに「ちょっと使ってみてもいいかな」と思えるくらいの形を残しておきたい。自分がいなくなったらここも含めてどうなるのかな。仏壇や神棚、お墓の管理等は徐々に遠のいていくのは仕方がないのだろう。僕で絶させてしまうのは申し訳ない気もするけれど、まあ仕方あんめえ。向こうでご先祖に叱られる覚悟はしておくか。

いま家中を建材の匂いが充満している。

空席

仕事部屋に空席を一つ作った。来て欲しい人がいて、先に席を作っちゃうと叶わないような気がして棚上げしていた。
将来的には必ず誰かによる引き継ぎが必要になる。元来形を作って要素を納めていく質だったのだから。
闇雲に作ったのではなく何とは無しに誰かが(誰かは分からないけれども)そこに収まる絵が少し見えたので形にしてみようと思った。

誰かが座るであろう席は砧に住んでいた頃の机だ。気がついた。
もし誰も座ることがなく終わるとしてもそこにその頃の自分が座っている。

極端な話を言えば、生きていくために必要な物資がある無しとかを無視して言うなら、最終的にこの世界に自分一人がいればいい。
面倒くさいから書かないけれど、良くある安っぽい思いの末に逃げ込む言葉ではなく、本質的なことを言っている。
自分以外の何ものもない世界では短い時間しか生きられないだろうけれど、多分それなりに楽しめる自信がある。
そうしたらもう一度何か絵を描こう。自分しか見ることのない絵を

道端の木

毎日通る道端のちょっとした植物のこと。

誰か酔っ払いでも踏みつけたのかな。根本から二つに裂けてしまっていた。
裂けた二つとも葉の緑とか問題なさそうだったけれど見る度に痛々しくてたまらず、修繕する機会を伺っていた。

部外者だし人通りがある時間にやると不審者に見られるかとタイミングを伺いつつ夜間に決行。園芸用の結束バンド(解除が容易い)で2箇所止めた。

裂けた状態のままだとメンテナンスが入った時に除去されてしまう恐れがあると思った。立木の状態が保持されていれば見逃してもらえるかもしれない。水揚げは問題なさそうだから、何とか元気になってくれればいいと思う。

日記

父は日記を書き続けた。遺品を探してみないと分からないけれど、会社勤めをしている頃は書いてなかったんじゃないかな。多分リタイアした後、さらに言えば体調を崩した頃から書き始めたのではなかったか。

2年ぶり

すごいなあ。大体不定期というかここ数年間隔空き空きだったけど2年も放ったらかしにしたのは初めてではねーか。
今ちょっと考えてるのは、次からしばらくここ(/fgl)ではなくてトップドメインklois.comを再活用しようかなということ。書くならそっちで書き続ける(かも)。

日々の泡

ここをしばらくの間空けてしまったからメモ的に書く。
一昨年経営的な不安要素が一つ減ったのは大きかった。全てが好転したわけではないものの精神的に楽になったらしい。らしいというのはそれまでも実感はなかったから。その時期が終わってみて徐々にそうだったのかなと分かってきた。
去年の夏には長い間温めていたことを実現した。温めすぎてカサカサに乾いてしまっていたけれど。旧友がいる金沢へ行ってきた。台風が近づき、天気予報は最悪で日々暴風雨のはずがなぜか滞在中は全日晴れた。雨が降らなかったわけではなく、酒を飲んでホテルに帰ったあと降り、朝窓から「ああやっぱり降ってるな」と金沢の雨をしみじみ眺めた。それでも朝食をとって出かける頃には上がり、目的地が近づく頃には晴れる。懐かしい友達が車であちこち連れて行ってくれたり本当に楽しく不思議な旅だった。白米千枚田で食べたおにぎりの美味しさは忘れない。自分用の土産に買ってきた干物をオーブントースターで焼いたら匂いがついてしまい、いまだにパンを焼いたりすると微かに香って思い出す。