朦朧
久しぶりに風邪を引いた。あ、いらっしゃいましたねと喉に感じると100%次のステージへ行くことになる。喉に感じる事が多いけれども、別のセンサーに引っかかる事もある。来たな、と感じたら一通りのプロセスを踏むしかない。医者や薬に頼る余裕は無いのだから。長いか短いか、軽いか重いかは状況と敵のパワーによる。仕事が立て込んでいたりして徹夜(徹夜と言う時はちゃんとした徹夜。仮眠したとか徹夜明けて寝るとかいうウソは無しよ)続きだったりすると、ウイルスの方から「やってられんわ」と逃げ出していく。コレが一番の薬。今回について言えば、ちょうど微妙に一段落したところだった。やる事はないではないけれども、調整できない事もない。そういうわけできちんと一回りしている最中。今は第三コーナーというところかな。第二コーナー辺りにはバレンタインデーとか言う日もあったらしいのだけれども、いつも通りとんと変わりなく平穏に過ぎた。例年は次の日にスーパーを覗いたりするとちょっと美味しそうなチョコレートの半額セールがあったりするのだけが楽しみではあったのだけれども、今年は無かったなあ。チョコは好きだからたいてい部屋に板チョコの在庫はある。
陽気がおかしく、誰にも止めることができない手遅れ状態になってしまうのは間違いないと言う気がする。もうお仕舞い。リーダーと呼ばれる人たちは誰もそれを主題に掲げる事も無く、それを掲げたリーダーも現れないだろう。末端の政治屋や学者さんたちのなかには当然懸念している人たちはいるのだろうけれどもね。十数年前から選挙に行く時には一応、環境対策を掲げている人を選んでいる。一方自身の生活においての環境対策が万全であるかと言えば、全然ダメ。多くの人がそんな風に危機感無く過ごしているのだと思う。まあ、多分もう手遅れなのだからジタバタしても仕方が無い。考えるのも面倒くさいしね。そうなんでしょ?
近所の遊歩道に家を持たないおばさんが住み着いている。夜はたいてい毛布にくるまってじぃっとしているのをたまに観察すると、どこかから調達してきたのだろう白いスニーカーを揃えた足下に目が行き、その小ささが切なかった。その時彼女が固まっているベンチの脇を通り過ぎながらいつにも増して背筋が寒くなる感覚があった。自分がそういう立場になる事を、遠くには感じていない。この街ですれ違う人々の中で一番身近に感じるのが彼女だ。今年は異常とはいえ暖冬でよかったね。このくらいなら僕も耐えられたかもしれない。それでも時々寒い夜もある。僕と彼女に何がどれほど違いがあるというのだろう。公平であることを思う。僕はとりあえず暖房も屋根もある所でこれを書いている。それでいいのかなと思ってしまう。この部屋を日々の半分は彼女が使うべきなのではないか。あるいはいっそ首をかいてあげたほうが…いやいや、それは。強迫観念。
漫喫ホームレスのことを報じるニュース番組をちらっと見た。電卓を出して計算した。仕事は日雇い派遣で6〜8千円/日、漫喫が一晩約千円。都心から近い郊外でも2〜3万/月の部屋は多数ある。毎日仕事がある訳ではないにしても10〜12万程度は月に稼げる計算とすれば、「手足を伸ばして寝られない今の生活は刑務所以下」と言っている彼らの理屈が、ちょっと分からなかった。光熱費?まあ雑費を考えると微妙なのかもね。その辺のことはよくわかる。ほんの数千円が毎月の事となると痛いんだ。ともあれ身につまされた。
とりとめがないな。この辺で。