終わりのときは刻々と近づいている。でもイキモノとしてはそれと同時に終わってしまうわけではないので、シツコク、ずりずりと地面の上を這っていく。事務的な「処理」をちゃちゃっと済ませて地面を這えば、お日様の暖かさや、きれいな石ころにまた気づくことができる。蟻や蟋蟀や天道虫、ぼくはそこから来た。そういうモノ達が好き。きっとそこへ帰りたいから、みんな自然に分け入ったり、温泉につかったりするんだろうな。森や大地に抱きしめられたいという気持ちは誰にでもあって、海辺で育った人にはそれに海も加わるのかな。
楽しみな一年がはじまる。
インターネット上にジブンのサイトを持ってからそろそろ3周年。X周年といえば、独立して仕事を始めてからちょうど10年たった。日々波乱、火の車をぶんぶん回し、ない袖を振りまくった10年を総括なんてできない。「よくもったなあ」という一言がぽろりと出るだけ。静かに過ぎた4月20日。よくがんばったな、じぶん。盛大にパーティでもするぜっ、と吹いていたんだけどさ、15周年に持ち越しにしよう(笑)。
黙って仕事をしよう。そうしよう。そのために頑張ろう。完徹ができなくなった。ところどころ意識が飛ぶ。日曜の夜から寝床に入っていないのは確かなのだけれど、時間を使いきれていない。一度壊れているので壊れることに臆病になっていた。むしろ徹底的に壊してしまったらどうだ。それぞれの立場はその立場なりに大変だ。代わりたいなんて思わない。お金が余っている人も、暖かい家に住む人も、戦争の国に住む人も、忙しさと引き換えに充実感を得ている奇特な人も。無謀な忙しさは人を殺伐とさせる。空を戦闘機が飛び回って地上は焼け野原だ。着の身着のまま、当然余裕なんてモノはなし。暖かい家なんて想像すらできなくなってしまった。それでも野辺を歩いていく。歩くために歩くように、歩く分にすら足りない稼ぎに火を燈しながら。