終わりのときは刻々と近づいている。でもイキモノとしてはそれと同時に終わってしまうわけではないので、シツコク、ずりずりと地面の上を這っていく。事務的な「処理」をちゃちゃっと済ませて地面を這えば、お日様の暖かさや、きれいな石ころにまた気づくことができる。蟻や蟋蟀や天道虫、ぼくはそこから来た。そういうモノ達が好き。きっとそこへ帰りたいから、みんな自然に分け入ったり、温泉につかったりするんだろうな。森や大地に抱きしめられたいという気持ちは誰にでもあって、海辺で育った人にはそれに海も加わるのかな。
楽しみな一年がはじまる。
長い旅に出ているんだろうな。それなら辻褄があう。居候のような(今はほんまもんの居候)仮の住処暮らしといい、優しい人の住む家で握り飯を頂いているような食生活といい(280円で食べられる牛丼、閉店間近のスーパーの半額のお惣菜は本当に助かる)、ボストンバッグに何年か前に詰めたままの洋服を着て、何処へともなく歩き続ける。頂いた賃金は右から左へ消えてしまうのだから生業としてそれは機能しているのかどうか。
無一文で旅を続けている。旅の仕舞になにがあるのだろう。
お昼に松屋のチキンカレー(280円)を食べた。
出先のお得意の近くで。
仕事場に帰るために電車賃160円。
その時点で残金283円。
取り引きしている銀行は全て底をついている。
もう借金をする当てもなし。
それが今のジブン。
割と楽しくやってる。
何かどうしようもないことが起こって今急に銭が必要になったら?
知り合いを起こして頭を下げるか
誰かを騙すか
いきつけのコンビニの親父に頼み込むか
そういうとき馴染みの客やおかみさんがいる
酒場なんかがあるととりあえず選択肢は広がるなあ。
ま、どちらにしても他人に頼るしかなし。
仕事があるだけまし。
屋根と壁があるだけまし。
自転車をもっているだけまし。
妙に運が良く、結果として世渡りをしてる。
バランスが悪いな。
不等辺多角形の
他の角では下手をして行き詰まってる。
すべてせーのでがらがらと
崩れちまってくれればいいのに。