今日は今年2度目の川喜田半泥子展へ。1度目は正月に只券を貰った銀座松屋、今日はちゃんと自腹で横浜そごうで見てきた。
1度目がとても面白く、年初に元気が出る良い展覧会だったから、今回内容がいくらか変わるということでもう一度と決めた。
こんな場所から世間を眺められたら楽しかろうなあと思われる境地に棲むことが出来た人だと思う。今回は1度目よりもさらに作者の輪郭が浮かんで見えた。
隙だらけなのだ。
銀行の頭取まで務めた実業家としての顔の反動?好きなようにろくろを回し続け素人を通した作陶活動。もちろん一つ一つの作品自体には隙や弛みは感じられない、どころか(多作であったことを思えばさらに)完成度の高さに驚くしそれぞれの宇宙にどっぷり楽しめる。
しかし作品と作品の間にはゆったりと堂々と隙があり、圧倒的な存在感や緊張感は感じない。でも(そちらの世界には疎いから想像でしかないけれど)たとえば良い茶室というのはもしかしたらそう言う空気感の中に存在するものなのかもしれないとも思う。
これでいい、という説得力を感じるし、何よりそれらを見ていると何だかわくわくしてくる。
作品は個人蔵が多く、まとまった個展となったのは関東では18年ぶりとのこと。それも今回のような規模では初めてということだった。
「東の魯山人、西の半泥子」とも称されるらしい。個人的には圧倒的に半泥子ファンになった。
川喜田半泥子のすべて展 横浜そごうでは3月22日まで。その後山口県立萩美術館、三重県立美術館と巡回。