Appleにとっての最後のMacWorldは静かに幕を閉じた。最後の基調講演を任されたPhil Schillerは緊張がモロに表情に出ていたけれども、応援するような観客の歓声(穿った見方をするようだけれども、サクラが結構いたんじゃないかな)に徐々にペースをつかみながら仕事をこなしていった。黙々と、サプライズ無しで。
もうしばらく前からトレードショー参加については後ろ向きになっていたし、必要な時に彼らのペースで人寄せをして発表会を開くやり方が板について来ていた。AppleStoreも好調で、誰もがふらっと立ち寄る様子はそれぞれの街に馴染んでいる。時代は変わったのでしょう。そう考えるとMacWorld東京には行っておいて良かったなあ。
また、個々の商品については特に、期待されていたiMacやMacminiについての話が無く、MacBook Pro 17のみに終わったことは象徴的だったと思う。各プロダクトが成熟してきているのは間違いなく、一つ一つのマシンをしっかり丁寧に仕上げて行くという方向が示されたという点で。夏と冬の大イベントでみんながびっくりするようなモノを出し続けるなんてことがいつまでも続けられる訳が無いしそういう事ばかりでも逆に困るといえば困る。Macはエンターテイメントでも宗教でもなく仕事と暮らしに密着したツールなのだから。オトナになることはちょっと寂しいけれどもね。
iMacとMacminiについては遅かれ早かれアップデートされるでしょう。どちらも製品のマップのなかで必要な位置にあるマシンだから。確かにMacminiについては若干微妙ではある。ただ、このポジションに何かがなければならないとすれば名前やコンセプトがいくらか変わるとしても空席にすることはないと思う。まあ、私が待っているのがこのクラスの製品だからという(希望的な)こともあります。
• アップルCEOのスティーブ・ジョブズが自身の健康問題について手紙を公開 – GIGAZINE.
親愛なるアップルコミュニティへ
10年ぶりに、Macworldの基調講演の準備に追われることなく家族と休日を過ごしています。
残念なことに、Philip Schillerに基調講演を執らせるという決定が、私が死の床にあるという記事を含めた健康問題についての噂などで新たな混乱を招いてしまいました。
私や皆さんが、明日からのショーを安心して楽しめるように、非常に個人的なことを皆さんにお知らせすることにしました。
ご存知のように、昨年中、私は体重を落としていました。理由は私にも医師にもわかりませんでしたが、数週間前、この根本的原因を解明して体重を回復させることを第一と決めました。
幸いにも、検査の後、医師は原因がわかったようです。ホルモンバランスの不均衡が、健康に必要なたんぱく質を身体から「奪っている」のだそうです。血液の精密検査の結果、以上の診断が正しいと確認されました。
これらの健康問題に対する療法は比較的簡単で、既に治療を始めています。ですが、私の体重が一週間や数ヶ月で急激に落ちたのではないように、回復にも時間を要し、今年春の終わりまでかかる見込みだと医師は言います。私は、療養中もAppleのCEOを続けます。
今まで11年間、私は、自分が持っている以上のものをAppleに捧げてきました。私にApple CEOとしての任務を果たす能力があるか否か、取締役会に問います。アップルコミュニティの皆さんが私の回復を応援してくれて、常に私がAppleにとって何がベストであるか考えてきたということを分かってくれていると信じています。
言いたかったこと以上のことを書いてしまいました。以上が私の言えることの全てです。
スティーブ
あー、よかった。
後は明日早朝(深夜)の“Big”サプライズを待つばかり!