一足先に

11月が誕生月なのでつい一足先に一年を振り返ってしまう、と前にも書いた(かも)。

大変な一年だった。

もう、この1行に尽きる。一生に一度クラスのことがこの年に立て続けに起こった。昨年末大切な友達を亡くした。春先の千年に一度という地震では震源地からは遠いものの、半端ない揺れでこりゃいかんという気持ちになった。部屋はめちゃくちゃ、時計も落ちてその時刻を指して止まった。もちろんそんな僕の状況など些細なことと言えるくらいな甚大な被害が震源地近くの広い地域に降り掛かってしまったのだが。さらに水害、異常気象と続き、ニンゲンも泡を食っているから思ってもいない方向に動きかねない。そんな気がしている。その後、身近な友達が相次いで生命に関わる病気と闘うことになったことを知った。夏には父が入院。秋に大きな手術となったが、無事成功。今は退院して割合落ち着いた生活をしているのは有り難い。
自分のことでは、不況・不調の波で仕事が立ち行かなくなり、1年間と決めて重めの夜なべアルバイトを入れた。力仕事は学生時代以来か。途中でリタイアしてそら見たことかと言われるのは悔しいので、父の手術日以外は皆勤状態を続けている。意地あり。最初の2、3ヶ月で体重が15kg減って若い頃のレベルに戻った。その後もじわじわ減り続け何十年ぶりかの50kg台に突入。反動か、最近バカ食いしたくなることがあるのだが、それでも低値安定は変わらない。秋からはバイトをもう一件増やした。こちらは長く副業としてできそうな自分に向いている仕事。
最近のことでは、急に引越ということになりそうな気配あり。元は仕事仲間の背信行動によるものなのだけれども、向こうも大変厳しい状態なのは分かるからどこかで諦めざるを得ないと思っている。引越先探しが不調に終われば、一時実家に戻ることになるだろうけれども、それでは仕事を含め今の生活状態を維持できない。さあ困ったというのが今の今。
本業の方はぽつぽつと復活の兆しを見せている。あれとこれ、あとこのピースが収まれば予定通り数ヶ月後には元の暮らしに戻れるだろう。そのためにもこの引越をすっきり穏便に済ませたい。もうひと頑張り。

その他の諸々。Red Soxの大失速、展覧会やライブへ出かける機会が極端に少なかったこと、飲み会等人付き合いもあまりできなかったな。まあ、来年。

夏のメモ

暑いけれども通常営業中。
数年前から節電なんて言われなくてもあまり冷房を使わない生活に切り替えていたから今年はさほど苦ではない。1度スイッチを入れたかな。そのくらい。
MLBは序盤不安定だったボストンが流石の首位争い。今日はニューヨークに惜敗したけれど。
仕事の不調、身内や友人の健康面の不調、それからあの地震。立て続けに全部来た感じ。地震の影響が今もこれからしばらくも消えないように、回りの数人も自分自身(仕事)もこれからが正念場。

毎日夜間のバイトに入っている。本業を立て直すのが目的だが、疲れてしまい昼間なかなか活動できない時期があった。だいぶ慣れてきたのでそろりそろりと動き始めている。脳を働かせても結構エネルギーを食うらしいけれど、体の骨や筋肉をある程度使ってしまうと相応のエネルギーや睡眠が絶対的に必要となる。当たり前の事にあらためて気付かされた。
いろいろ勉強になるし、不格好だった腹も少しへこんだりというおまけ的なこともあって、貴重な体験をさせてもらっている。

来年の前半まではそんな状態が続く。その後どうしてくれようかと考えるのもまた面白い。

伍拾

自分に関する数字的なことを気にしたことはあまりない。財布の中身とか年齢とか、身長・体重。どんぶり勘定とはよく言ったもの。だいたいのことはそれで何とかなる。それでも周りがナンダカンダ言うので面倒くさい年齢になって来たのかなと思い始めたのが数年前から。それも今年でお仕舞い。50を迎える今年、そんな諸々がすっきり!50なんだから、もーどーでもいいじゃん。という訳。それでも誕生日が来るまでは半端な50だったのだけれども、先日それもクリア!これからは今まで以上に勝手なことを言って、やって行こうと思う。

昨日電話で話した友人は古い家に嫁入りして、頑張ってやってきたのだが疲れていた。別の友だちはこれからあれもしたいこれもしたいとはしゃいでいる。僕もどちらかと言えばこっち。また、別の友だちは気持ちのシステムを病んで停滞している。それでも話を聞くと僕なんかよりよっぽどしっかりした考え方を持っている。連れ合いの親の介護に困難を感じながらも猫を愛でながらしっかり前を向いている友だちもいる。

仕事が思うように運ばず、外仕事を始めた。先月はネットにあれこれ書き込むこともできないくらいジタバタしていた。ここ数日ようやくカタチが出来てきたかな、と感じている。夜更けから朝まで作業をして、その後通常の仕事に戻る。昼間の仕事に余裕があれば午前中は眠る。そうこうしている数ヶ月の間に立て直しを計り、新しい出口の光に向かって突破を試みる。自宅イコール仕事場だった者にとっては「通勤」だけがネックなのだ。それ以外のことはハッタリで何とかなる。それでも面白い毎日を過ごしている。発見もあるし出会いもある。

その自宅兼事務所の模様替えをした。実はしばらく前から例の引越したい病がうずいて仕方がない。今はそういう訳にもいかないから、それを鎮めるために配置換えをしてみた訳だ。新しいモニタを買ってそれを中心に設置してみた新配置が固まり、今これを書いている。悪くない。しばらくはこれで引越の虫が騒ぐのをかわすことができるかも。

さて、ラーメンでも茹でるかな。

フォントのこと、再び

モリサワパスポートにヒラギノが収録されるというニュースが流れて、ちょっとかなりショックだったのだけれど落ち着いて考えてみた。

ショックだったのは先日パスポートの契約を止めてフォントワークスレッツに戻してしまっていたから。ただ、待てよ。今回のニュースは僕にとってもメリットの方が多いのでは。

これでようやくパスポートも値段相応のサービスになったと言えるような気がするが、収録されたおかげでヒラギノは市民権を得ることができた。各出力センターや印刷屋がヒラギノに対応するということは随分前にヒラギノに惚れ込んでヒラギノ角ゴW1を購入した頃からの個人的な悲願でもあった。今はもちろんフォント埋め込みで何とでもなるとしてもやはり嬉しい。
また、ヒラギノを使った印刷物等が増えるだろうことは大げさに言えば日本の生活風景が変わっていくのではと期待するくらいメリットをもたらす。リュウミンを見かけることが減っていき、ヒラギノ角ゴのモダーンなフォルムが中ゴBBBと新ゴの間の広い隙間を埋めてくれればそれだけで少し世の中が良くなるのではという幻想まで抱いてしまう。
前にも書いたけれど、モリサワ書体は別に悪くはないのよ。でもやはり書体にはそれぞれ同じ明朝系なら明朝系でも特徴(くせ)があるので、モリサワばかりの世界は嫌なのさ(もちろんハードカバーの書籍やらあれこれで他の伝統ある書体は使われ続けているのだけれど)。どちらかというと、モリサワ書体はたまに見かけて「おっ」と思う、そんなポジションの書体だったんだよな昔々は。

これより少し前のニュースでモリサワはあの秀英明朝もライセンスすると発表していた。これにも驚いたものだけれども、あの会社は日本語フォントの結集でも狙っているのかな。

だとしてもパスポートには戻らない。Mac OSにヒラギノ基本書体は含まれているのだし、欲しいバリエーションは単品で買いそろえていけばいい。元々そのつもりでパスポートを止めたのだった。この流れで環境が整ってくれることの方が大きなメリットなのだと思う。

※この頁、ここにつづく。

フォントのこと –バイバイ、モリサワ–

仕事の道具としてMacが加わった頃からフォントをどうするかは課題だった。ひとつはもちろん使いたいフォントデザインがあるかどうかということ。もうひとつは予算的なことだった。

使いたいフォントデザインというのは写植に馴染んだものとしては当然写研のフォントということになる。しかし、デジタルの日本語環境で市場を牛耳っていたのはモリサワだった。
Mac以前、モリサワのフォントと言えばデザインの中にちょっと味付けを加えたい時に、いつもとは違う(書体数をたくさん持っている)写植屋さんに単発で注文する、要は付け合わせ的なものだった。もちろん地域や環境によって違うのかもしれないが。

モリサワを本文等のメイン書体として使いたくはないんだけれどな、という思いは結局消えること無く十数年経った今でも続いている。これはモリサワのデザインの本質的な善し悪し云々ということ以前に、体に染み付いてしまった感覚なのだから仕方がない。

そういう感情的なもつれからある程度仕方ない部分でモリサワを使い、その他は別の各社の気に入ったフォントを探しては使っていたわけだ。
モリサワ以外で一番使ったのはフォントワークス。また、写研と泣く泣く別れてから始めて出会った「これだっ!」というフォントがヒラギノだった。ただ印刷屋や出力サービス会社が対応していなかったことには苦労したけれど。
そうやって長いものに巻かれるようにモリサワフォントで仕事をし、ここ数年は「パスポート」という年払いの定額で全ての書体を使えるサービスを利用していた。

しかし印刷からWEBへ仕事の軸足が移りつつあること、フォントの埋め込み機能の出現で状況が変わった。フォントワークスにはモリサワの半額程度で同社全書体を使えるLet’sというサービスがある(もともとこちらの方が早く始まっている)。また、Mac OS Xには素晴らしいヒラギノフォントが付属していて商用も可能だ。
もうモリサワに縛られなくていいかも、とふと思ったわけ。バイバイ、モリサワ。
Let’sはパスポート以前に数年使っていたことがある。こつこつ溜めたモリサワ単品フォント+Let’sというのが当時の仕事環境だった。それは主に掛かる費用を考えてのものだったけれども、今後は使いたいからという純粋な気持ちでその環境に戻せるのが嬉しい。

この後はヒラギノフォントを買い足して行き、それを本文組に使えれば完全にモリサワはいらなくなる。たまに来る印刷の仕事で他所と連携しなければならない時に必要になるくらいになるんじゃないかな。

いずれにしても、写研に匹敵するデザインのフォントはまだデジタル界には無いことが残念。ヒラギノはかなり良いし、歴史のあるイワタのフォントなどもデジタル化されているけれども、物足りないんだな。それはデザインだけのことではなく。

今、WEB上で散見する、有力デザイナーたちによる日本語WEB文字組をどうにかしようという取り組みが大きなうねりになって実を結ぶといいと思う。確かに(特にWindows環境をたまに見ると)ひどいなって思うし。
また、Googleによるフォントのクラウドサービスなんかも始まるらしいけれども、これの日本語版をたとえばヒラギノとAppleの協力で始められれば革命的だと思うのだけれどどうだろう。