ice cream castles in the sky

引越

引越の前後にあったことについて。もちろん引越自体が大きなイベントだったのだけれども。今度の部屋は縁と発想の逆転と直感による決定。誰も信じないけれども長く使いたい(敢えて住みたいとは言わない)と思っているんだ。コンパクトなCUBE体ワンルームには24時間すぐ近くを通る首都高とその下の幹線道路の運転音が聞こえてくる。荒れ狂う海に面した断崖絶壁の上にひっそりと立つ小屋に住む気持ちだ。アイルランドのような遠い外国に旅するような気分だ(我ながら前向きな性格)。
この数週間、酒はトリスブラックにハマっている。ブラックニッカよりもさらに安くて自分好みの味だ。ラフロイグ一本でこれが三本買えてしまうと思えば、ついついこちらを手にしてしまう。TOTOでも当たればもう少し違う食生活ができるかも、いや、変わらないか。
ウィルコムのTTセットが手に入った。ネット上で話題に上った不具合はうちでも確認できたが、滅多に使わない機能なのでこのまま使い続けることにする。それもこれも、手に取った瞬間にやっぱり気に入ってしまったから。モノとしての愛着がすでに湧いてしまったから。
さて、一番書きたかったのはTivoli AudioのMODEL ONE Radioを購入したこと。前から知っていたシステムなのだけれども、すっかり記憶からは消えていた。iPodを欲しい欲求は冷めないのだが、自分の、特に耳の健康状態を考えたらヘッドホンオーディオは止めておいた方がいい。MacのiTunesをこの新しい部屋で鳴らすことを考えたら、では、何がベストか。さらに、高品質なラジオ放送を聴きたいとも思う。そうして探し、辿り着いたのがTivoli Audioだった。aux端子を備えたこのラジオシステムはオーディオ製品だというのに試聴もしないうちから、これは間違いないだろうという確信があった。経済的状況から言えばちょっと贅沢ではあったのだけれども、iPodの価格等と比較しているうちにネットショップで購入ボタンを押してしまっていた。
先日届いたその製品は思っていたよりも軽く、オーディオ製品は重いものという思い込みがあるので少し心配になったのだけれども、それは稀有に終わったのだ。朗々と良く鳴ってくれる。そのデザインと相まってすぐにお気に入りになってしまった。良い音響システムを持つと、本当に音楽って素晴らしいと再認識させられる。しばらく前から大仰なステレオシステムを捨て、コンピュータとアンプ内蔵スピーカというリスニング環境にした。モノを減らすという方向にも合致していた。それでもスピーカを選ぶことによってそれなりに楽しむことはできていたんだ。さらにしっかりしたスピーカを購入するという選択肢もあったのだけれども、今回はこのラジオシステムを選んでみた。
もともとオーディオシステムにのめり込んでいた時期があり、自分で計算、設計してスピーカを作ったこともあった。その当時の結論としては、家庭という環境では中途半端なステレオシステムよりも、しっかりしたモノラルシステム(ラジオを中心とした)がベストなのではないかということ。コンサート会場のようなしっかりしたスケール感を再現するには湯水のように予算をつぎ込む必要がある。それなら、コンサートそのものを楽しんだ方が良い。そう結論づけていた。
では家庭内での聴取環境をどう考えるかと言えば、その中心にはラジオがあると思った。しっかりしたラジオシステムを中心として外部入力端子を備え、コンピュータや、テレビ等の音源を入れることもできる。そんなシステムを探していたところTivoli Audioに出会った。そこにはミニステレオシステムもあったが、迷わずモノラルラジオシステムを選んだ。ボーカルの息づかいとか、弦を弾く音の細部とかまでこんな小さなシステムが再現してくれるのには驚いた。出力音圧レベルも高く、普段はその十分の一も使用していない。ただ、出力レベルに余裕があるシステムは小さな音による再生においても、余裕を持ったバランスの良い音を奏でてくれるものだ。
そうして着々と新しい部屋の環境は整う。兎に角収納部分が少ないので、どう効率よく納めるかが課題。ドンキで見つけた棚やら何やらでとりあえずの形はできた。「次」に移動することを常に念頭においている自分としては珍しく、新しい家具も買ってしまった。テーブルとワードローブ。さて、次はあるのか(笑)。(まあ、どんな形かは判らないけれども、やっぱりあるんだろうな)

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