Willcomの新製品。ちょうどそろそろ交換と思っていたので購入を決めて予約した。工業デザインの第一人者、山中俊治氏がデザインしている。W-SIM(ウィルコムシム)という小さなモジュールを抜き差しする事で利用形態が大きく広がるという触れ込みでプロトタイプが発表されたのが春先だったかな。ほとんどその時のデザインのまま製品化されたことが嬉しく、モノの持つ力に引かれた。予約したのはシンプルな電話機と通信用のUSBアダプタのセット。僕の使い方にちょうどいい。割引に適用されるポイントもたくさんたまっていたしね。余計な機能はいらない(カメラやゲームなんて携帯に付いている必要なんてあるの?)のだけれども、W-SIMを使った展開の例としては所謂スマートフォンというものも発表されている。これはこれで面白そうではある。
もともと仕事の道具としてのコンピュータには興味がなかったので、1995年のWindows95の騒ぎはニュースで知っていたけれども自分とは関係のないことだと思っていた。もし仕事に関係してくるのならMacintoshっていうモノだとも何となくは聞こえて来ていたのかな。だからWindowsのことはなおさら。
Macを使いはじめた友だちの部屋に行って、こりゃヤバいなと思ったのも多分95年。その年明けあたりに思い切って一式導入したんだっけ。そういうわけで周りはMacユーザ。誇張でもなんでもなく、マイクロソフトとかWindowsとかのことは無用、無関心だった。(今でも周りのほとんどはMac使いなのだから、環境的には一風変わったというか幸せなというか)
マイクロソフトのことを知ったのはMacのソフトを作っている会社のひとつだったから。ワードとかエクセルとか、ぼくの仕事には直接関係なかったけれども、良いソフトだと言う評判。
今では世界のパソコンの9割でWindows OSが走っていることを知っているし、ウエブの仕事を始めてからは当然無視できない環境となっている。いくつか前のエントリにも書いた通りWindowsデビューも果たした。
マイクロソフトという会社には無関心だったのだけれども、ある日地下鉄の駅で見かけたポスターとその後テレビでも流れはじめたCMは素晴らしく、好印象を持った。それが、「私たちには見えます…」ではじまる今年始めに打たれたマイクロソフトのコーポレートブランド広告キャンペーン。手書きの白い線と音楽のリズム、それから件のコピー。全体の色調と統一感。夢と成功(そう、やっぱり「成功」のイメージは入っているんだな。そこがマイクロソフトらしいといえばらしいのかも。でもこの広告では上手に嫌み無く織り込んでいる)。広告の力を感じた。ぼくの中での企業イメージも跳ね上がったしね。このページ無くならないで欲しいなあ。今でも時々見ているんだ。WMVって保存できないのかしらん。あの「1984」の昔から、広告だけをとってみるとAppleの大勝という感は拭えないけれども、このキャンペーンは悪くなかった。
実際問題別にMacでなくてもよかったんだ。仕事が楽しく効率的にできるのなら。ただ2005年の今現在でもそれはMacでしか成し遂げられないのだけれども。だからまだまだMacといっしょ。Windowsという道具も手に入れたけれども役割分担は明確なのだし、それでいいんだな。
ザ・セル
尊敬するデザイナーのひとり、石岡瑛子さんが衣装デザインを担当していたこともあり、公開時に映画館へ行って観たかった映画だった。結局それはかなわず、今回DVDで観ることができた。石岡さんのデザインはやはり素晴らしく、映画の魅力の大きな部分を担っていたと思う。
一つ間違えればひどく難解で見るに耐えなくなってしまう可能性もあっただろうし、描かれているのは冷静に考えればひどく残虐な犯行なのだけれども、映像の美しさによって観終わった直後はまるで明るいイタリア映画でも観たかのような錯覚に陥ってしまうほどだ。そう、それは錯覚で何かが胸の当たりに引っかかっている。重くて気持ちの悪いものだ。美しさとの落差故にそれは深いところで渦を巻き、だんだん大きくなってくる。
筋立ては思っていたよりもシンプルで、淡々としていたとさえ言えるくらい。それがまた後の嫌な気持ち悪さを増幅させる。この映画ダメなひとは100%ダメなんじゃないかな。ただ、心理の裏側に侵入して居座ってしまうようなこの嫌な感じが僕は気に入ってしまったので、とても印象深い映画になりました。
アイ ロボット
こちらはヒット作になった娯楽大作。CGモノというだけで毛嫌いする人もいるけれども、技術の進歩や新しい試みには素直に感心する。この中でもロボットの表情づくりが素晴らしい。強調しすぎず控えめな「演技」をしていたのが良かった。ウィル・スミスがやたらパイを旨そうに食べていたのも印象に残った。最近美味しいケーキとか食べてないなあ。
ロボットって実際にはどんな形で実用化されていくんだろう。企業等ではなく個人の生活の中へ。この映画でもかつてアトムがそうだったように「人型」で現れる。ロボットが担わされる役割は、一つではないだろう。それは移動手段であったり、防犯であったり、介護であったり、ペットのようでもあったり。当然「動くコンピュータ」なのだろうし、今Macintoshが仕事から趣味までいろいろ助けてくれているように、それが力を持って動くのならさらにいろいろな夢が膨らむ。当面今家に欲しいのは、うまい飯を作ってくれて経理と行政手続きをそつなくこなし、多少話し相手になってくれるような奴ならさらにいいね。足としっぽがあるコンピュータか。AppleがOSのコードネームにネコ科の大型動物の名前を使っているのってそういう理由だったのかな(笑)。
真打ち登場と行った所だろうか。モリサワが“モリサワパスポート”なるサービスを開始するとのこと。要はフォントワークスの“LETS”の二番煎じ。料金はさすがに強気でLETSの倍くらいする。
OS Xへの移行を促すには確かに決め手になるのだろうなあとは思う。でもこれでOS Xでもモリサワが標準なんてことになってしまうのだったら嫌だなあ。